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鳩山大川市長 公費出張利用し選挙準備

2016年9月 2日 09:00

1-鳩山-1.jpg 鳩山邦夫元総務相の死去に伴う衆院福岡6区の補欠選挙(10月11日告示、23日投開票)に出馬予定の鳩山二郎大川市長が、東京への公費出張を利用して、選挙準備と見られる活動を行っていた疑いが濃くなった。
 公金を使った事前活動なら完全に公私混同。辞任した舛添要一前東京都知事の姿と重なる愚行に、市民から批判の声が上がりそうだ。
(右は、鳩山市長の出張命令書の一部分)

公費出張にかこつけ故・邦夫氏の事務所へ
 大川市への情報公開請求で入手した鳩山市長の旅行命令書によれば、市長は7月20日から22日までの日程で東京出張。記載された用務は、≪鳩山事務所訪問及び協議 両県協議会、クリーク防災事業本省 提案要望≫となっていた。
(下が問題の旅行命令書。赤い囲みはHUNTER編集部。画像クリックで拡大)

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 出張命令書に記された目的地の住所は「千代田区永田町2-1-2」。市長の訪問先は、衆議院第二議員会館の鳩山事務所だった。鳩山邦夫元総務相が亡くなったのは6月21日。国会議員が死去した場合、議員会館の部屋はしばらく使うことを許されるというが、7月21日段階の鳩山邦夫事務所は、自治体からの陳情や要望を受ける立場にはない。邦夫氏の死去と同時に、公設秘書も公務員としての身分を失っている。大川市長の事務所訪問は私用ではなかったのか――。この日程に疑問を抱いたHUNTERの記者が、詳しい出張日程表の存在を追及したところ、大川市の秘書課が渋々開示したのが次の文書である。(赤い書き込みは全てHUNTER編集部。画像クリックで拡大)

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 20日の上京は、いわゆる「前泊」のため。翌日の公務に間に合うように前日から現地入りし、宿泊するものだ。しかし、この時の前泊は、明らかに翌朝の鳩山事務所訪問に備えてのものだったと見られる。

 旅行命令書や日程表に記されている通り、出張の主目的は両県協議会で取り組むクリーク防災事業についての農水省、国交省への提案要望。その証拠に、往復の航空運賃や21日の宿泊費は両県協議会が支出している。大川市の公務が先行するのであれば、行きの航空券代は大川市が支出するのが普通だが、そうなっていない。要望前日の21日の懇親会は午後6時から。午後の福岡発で十分に間に合ったはずで、大川市の秘書課も、通常は用務の時間に合わせて上京することを認めている。出張の主目的である両県協議会の用務だけなら、21日の出発が普通だった。

 しかし、鳩山市長が両県協議会の公務とは別の目的で前泊していたため、20日の宿泊費は両県協議会ではなく、大川市が支出している。前泊して翌朝向かったのが、衆院第二議員会館にあった故・鳩山邦夫氏の事務所。前述したように、鳩山事務所訪問とそこでの協議は「公務」ではない。鳩山市長は、両県協議会の用務を利用して、議員会館を訪ねたことになる。
(注:“両県”とは佐賀県と福岡県のこと。筑後川の氾濫に備え、地域を超えて防災を進めるため、下流域自治体の河川管理者や気象台などで構成された組織を「両県協議会」又は「下流協議会」と呼称している)

 大川市秘書課に、鳩山事務所訪問は何の目的だったのか問い質したところ「分かりません」と明言。21日午前の鳩山事務所での協議が、公務ではなかったことを認めた形となっている。

まるでマスゾエ
 鳩山市長は、父である邦夫氏が6月21日に亡くなったあと、22日から始まった参議院議員選挙(7月10日投開票)の最中に6区補選に出馬の意思があることを地元紙に明言。7月27日には、自民党福岡県連の公認候補選びを前に出馬表明。県連の選考に漏れた後の31日に会見を開き、改めて無所属でも出馬する意向であることを明らかにしていた。時系列的に見て、7月21日の公費を使っての鳩山事務所訪問は、6区補選に向けての陣営内協議が目的。税金を使って選挙準備を行った格好だ。

 鳩山市長は、8月1日月曜日に自民党本部で二階俊博幹事長と面談。25日の木曜日には林幹雄幹事長代理と会うなど、大川市民を放り出して平日に度々上京しているのが実情。地元置き去りの公私混同に、舛添前東京都知事の姿がダブる。



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