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鳩山大川市長選挙収支 市選管が違法状態放置

2016年9月 7日 09:00

5収支報告書---3.jpg 平成25年6月に行われた大川市長選挙の際、鳩山二郎市長陣営が同市選挙管理委員会に提出した「選挙運動費用収支報告書」が、公職選挙法で定められた報告書としての要件を満たしていないものだったことが明らかとなった。大川市選管も報告書の間違いとチエックミスを認めており、虚偽記載が放置された疑いもある。
 鳩山市長の選挙運動費用収支報告書を巡っては、二郎氏の父で今年6月に亡くなった鳩山邦夫元総務相が支部長を務めていた「自由民主党福岡県第六選挙区支部」から寄付されたとされる100万円が、同支部の政治資金収支報告書に未記載の状態であることが分かったばかり。鳩山陣営による杜撰な政治資金処理が、波紋を広げそうだ。

杜撰というよりデタラメ
 選挙運動費用収支報告書は、各種選挙が行われた後、15日以内に当該選挙を所管した自治体の選挙管理委員会か総務省に提出するよう公選法の規定で義務付けられている。15日目以降の収入・支出については、資金の出入りから7日以内に2回目、あるいは3回目という形で報告書を提出しなければならない。大川市長選なら、報告書の提出先は同市の選管。下は、同市選管への情報公開請求で入手した鳩山陣営の1回目(7月14日提出)と2回目(8月12日提出)の報告書にある、それぞれの「収入」の記載ページだ。

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 前述したように、1回目と2回目の報告内容はまったく別のものになっていなければならない。しかし、鳩山陣営の報告書は一部を除いて同じ内容。2回目に、問題の第六選挙区支部からの100万円と候補者本人の自己資金11万7,269円を加えるという間違った記載方法だ。支出の記載も確認してみたが、こちらも1回目の報告書に14件分の支出計181万700円を加える形となっていた。通常なら選管が間違いを指摘し、修正させるべきお粗末な報告書が放置されていたことになる。
 
 問題は、2回目の報告書に追加された“第六選挙区支部から”とされる100万円だ。報告書の記載によれば、寄附を受けのは6月28日。大川市長選は6月23日告示、30日投開票だったことから選挙期間中の寄附であり、当然1回目の収支報告書に記載されていなければならない。出納責任者がこの100万円の寄附を見落としていたのだとすれば、2回目の報告書に記載するのではなく、1回目の報告書に「修正」という形で記載されなければならないものだった。この他、支出として計上すべき選挙用ポスターの公費助成額が記載されていないなど、鳩山市長の選挙運動費用収支報告書は穴だらけ。杜撰というよりデタラメ。まともな報告書の体を成していない。選管のチックミスも明らかだ。

 収支報告書は作成と保存が義務付けられた会計帳簿の記載を転記したもの。100万円の寄附が帳簿に記載されていれば、出納責任者に“見落とし”というミスは起きなかったはずで、鳩山陣営全体の政治資金処理に疑問符が付く状況でもある。

放置された違法な報告書
 デタラメな収支報告書が作成されたことは確かだが、極めつけは下の2枚。1回目と2回目の収支報告書の最終ページである。

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 公職選挙法は、選挙運動費用収支報告書の記載方法について、≪真実の記載がなされていることを誓う旨の文書を添えなければならない≫と規定している。そのため、すべての報告書の最後のページには「この報告書は、公職選挙法の規則に従って作成したもので、真実に相違ありません」とあり、出納責任者が署名、捺印しなければならない。前述したように、報告書は複数回提出が普通。提出させる報告書のすべての最終ページに、同様の宣誓がなければならない。当然のことながら、7月14日提出分と8月12日提出分の宣誓の日付は違うことになる。しかし、上掲2枚のページにある日付は、どちらも「平成25年7月14日」。2回目提出分の報告書には、法が定めた宣誓がなかったことになる。公選法上、この選挙運動費用収支報告書は認められない。

 何故こうした違法性の高い報告書を見逃したのか――大川市選管の事務局長に取材したところ、次の様にコメントしている。
「(鳩山市長の選挙運動費用収支報告書の不備については)ご指摘の通り。前任者がやったこととはいえ、事務処理のミスだったと認めるしかない。ご指摘を重く受け止め、二度とこのようなことが起こらないようにして参ります」



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