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福岡市第3給食センター 疑惑の裏に「市長選」

2016年8月 4日 08:20

高島市長選.jpg 用地選定過程に疑惑が持たれている福岡市教育委員会の第3給食センター(仮称)整備事業を巡り、高島宗一郎市長と事業用地の所有企業に選挙絡みの特別な関係があったことが明らかとなった。
 市長は、第3給食センターの用地探しが始まる直前の平成26年11月に、1年後の用地公募で選ばれることになる土地を保有していた建設会社を訪問。同行した市議らと選挙の支援要請を行っていた。
 市関係者の間からは、市長及び市議と建設業者の癒着を疑う声も上がっている。
(写真は、市長選出陣式での高島市長)

疑惑の用地選定
 市教委は、市立中学校65校と知的障がい特別支援学校5校の給食を調理・配送してきた市内4か所の給食センターが老朽化したことなどを理由に、平成19年から整備事業の検討に着手。学識経験者や保護者の代表などを交えて設置された「福岡市学校給食センター再整備基本構想策定委員会」での議論を経て、22年に市内を南部・東部・西部の三つのゾーンに分けて、それぞれに給食センターを整備するという「福岡市学校給食センター再整備基本構想」を策定していた。

 第1給食センターは、平成23年3月に整備計画を決定。福岡空港そばにあった博多区東平尾の市土地開発公社保有地を利用して、PFI方式による整備を行い、26年9月1日に供用を開始している。第2給食センターもPFI方式での整備。建設地には、市港湾局が保有していた東区香椎浜ふ頭の土地が充てられており、今年9月に供用開始の予定となっている。

 疑惑が持たれているのは第3給食センターの用地選定。市教委は昨年11月、同センターの建設用地を民間から公募。事業用地審査委員会における2回の協議を経て、今年2月に市内の建設業者「アスミオ」とその子会社の所有地を選定していた。その後、用地選定の過程に疑念を抱いたHUNTERの取材で、公募開始の1年前から事業用地を同社の土地に絞り込んでいたことや、公募が形だけのものだったことが明らかになっている。下は、第3給食センターの土地探しが始まった平成26年から用地選定までの流れをまとめた表だ。

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 市教委がアスミオの土地の登記簿と公図を取得したのは平成26年11月18日。12月9日には、市教委の部長がアスミオ本社で同社の代表らと面談し、同社の土地が取得可能であることを確認していた。この部長は、1年後の事業用地審査委員会で選定委員を務めていたことも分かっている。(下の文書参照)

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市長選期間中、高島市長が支援要請
 高島市長がアスミオ側と接触したのは、市教委がアスミオの土地の登記簿などを取得する直前。26年11月の市長選(11月2日告示、16日投開票)の最中だった。市長は福岡市議会議員らと同社を訪問、役員や社員に対し選挙の支援を要請していた。同行した市議は、平成22年の市長選の折も、市長とアスミオ(当時の社名は澄男工業)を訪問していたことを認めている。市長に同行した市議については、アスミオの代表者と古くからの付き合いがあることや、市議のファミリー企業がアスミオと取引関係にあることも分かっている。

 疑惑の土地選定の裏に市長選――。市関係者からは、次のような声が上がっている。
 「中央保育園で懲りたと思っていたが……。『やっちゃったな』という感じ。第3給食センターの用地選定は、普通では考えられない経過をたどっている。市教委だけでなく、複数の部局が関わらないとできないこと。上層部の指示がなければ、澄男(アスミオのこと)の土地など選ぶはずがない。選挙支援への見返りを疑われてもおかしくない格好だろう」(福岡市職員)

 「“アスミオの土地ありき”で事を運んだのは確かだ。中央保育園の用地買収で疑惑を指摘されたため、公募の形にしてごまかしただけ。無理に格好をつけたここで、公募に応じて落選した業者に多大な不利益を与えている。市議会関係者の間で、給食センターの用地選定に疑問の声が上がっていたのは事実。政治がらみの用地選定だったとすれば、市民への背信行為だ。このまま用地買収まで進むようなら、住民監査請求が出されるのは必至。市議会で、徹底追及する必要がある」(市議会議員)



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