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居座る政治家 離れる民意
舛添、甘利が続投宣言

2016年6月 7日 07:35

東京都庁 6日、舛添要一東京都知事が都庁で会見を開き、自らに向けられた政治資金流用疑惑について弁護士2人に依頼した調査結果を公表した。「不適切だが違法性はない」――繰り返された知事側の主張は、事前に想定された通りの内容。居座りを決め込むための、身勝手な言い訳にしか聞こえなかった。
 一方、都市再生機構(UR)への口利き疑惑で経済再生相を辞任した甘利明氏も同日、神奈川県大和市の地元事務所で「政務復帰」を表明。政治への信頼を失わせた二人の“政治屋”が、相次いで続投を宣言した格好となった。
(写真は東京都庁)

居座り宣言の舛添氏
 舛添都知事の調査結果報告会見は、都知事続投に向けたセレモニー。「違法ではない」という弁護士の言葉を聞かせるための茶番劇で、説明責任を果たすためのものではない。調査結果の内容は、大方の予想通り。知事に法的責任はないということを印象付けたかっただけだ。検事あがりの弁護士が「違法性はない」と言っても、最終的に有罪か無罪かを決めるのは裁判所。彼らはしょせん舛添氏が選んだ「第三者」であって、事実上の私選弁護人と言っても過言ではあるまい。容疑者的立場の舛添氏の言い分を鵜呑みにした調査結果を、信用しろという方が無理な話だ。

 そもそも、問われているのは政治家としての資質、資格。“違法だから辞めろ”ではなく、“不適格だから辞めろ”というのが大方の意見だろう。自宅に設けた事務所の家賃、美術品買い漁り、家族旅行……。すべてを政治資金(それも大半は税金が原資)で処理していたというのだから呆れるしかない。舛添氏にとって、自身が関わることはすべて政治活動。他人のカネで遊ぶことに何の痛痒も感じなかったというのだから、恥知らずにも程がある。疑わしい支出分を慈善団体に寄附するというが、不適切支出の総額は約100万円。知事給与の1か月分にも満たない。別荘を売るのも自由だが、売却益は知事側に入るわけで、舛添一族が損失を被るわけではない。贖罪的な行為に見せかけてはいるが、実現しても結果は舛添氏の焼け太り。東京都議会が知事の続投を許すなら、有権者の都政への参加意欲は一気になくなるだろう。

国会終わって「政務復帰」の甘利氏
 この日は、もう一人の恥知らずも政治家続投を宣言した。神奈川県の地元事務所で「政務復帰」を表明したのは、現金授受問題で1月下旬に閣僚を辞任した甘利明氏。東京地検特捜部があっせん利得処罰法違反での立件を見送り、国会が閉じたとたんの「活動再開」だ。閣僚辞任直後から4か月にわたり「睡眠障害」で国会を欠席しておきながら、一体何を再開しようというのだろう。政治資金規正法やあっせん利得処罰法が「ザル」であることは今更言うまでもないが、政治家が公共事業絡みの口利きをし、その見返りに数百万円をもらってもセーフというのだから納税者はたまったものではない。

政治屋が招く政治不信
 舛添氏と甘利氏に共通しているのは、政治に求められている倫理を無視する姿勢。一般常識では考えられないことをやっておきながら、どうやら二人とも「悪いことをした」とは思っていない。その昔、「政治家に徳目を求めるのは、八百屋で魚をくれというのに等しい」と言った政治家がいたが、この居座り二人組は、“政治家”と言えるのかどうかさえ怪しい。彼らは、「statesman(政治家)」ではなく「politician(政治屋)」。もっとも唾棄すべき存在なのである。 

 それにしても、居直り強盗型の政治がまかり通る世の中は、やっぱりおかしい。特定秘密保護法、集団的自衛権の行使容認、安保法――国民の大多数が反対した案件を、安倍政権は強権をもって推し進めてきた。沖縄では、知事選をはじめとする幾度もの選挙で示された「辺野古移設反対」の民意が、政権によって踏みにじられているのが現状だ。それを自由と民主を党名にした政党が、平然とやっているのが現在の日本。「恥」という言葉を知らない政治家が増えるに従い、呆れた民意がますます政治から離れていく。



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