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政治家の品性

2014年6月26日 08:45

自民党本部 何でもカネで方がつくとおもっている二世のボンボン議員。女性を卑下したうえ卑怯にも逃げ回る都議会議員。トップである総裁は、先人が積み上げてきた平和国家への信頼と、その根幹である憲法を、「戦後レジームからの脱却」のために踏みにじるのだという。きれいごとばかり並べているが、要は戦争がやりたいだけだ。極右や財界とつるんで、弱者をいじめ抜く自民党――体質とはいえ、これほど世界中に恥をさらす政党も珍しかろう。
 それにしても、政治家の品性はどこまで堕ちるのか……。

野次馬の集まり
 下は、今月13日に衆議院第一議員会館で開かれた、超党派の国会議員による「日米国会議員連盟総会」の模様。キャロラン・ケネディ大使が席に着くやいなや、いきなり国会議員数十名が前へ出て写真を撮り始めた。さすがに司会役の議員が「品位を保ってください」と注意したが、聞く耳持たずの状態。ご覧のように自席から写メを撮るのに夢中の議員ばかり。一体何をしにこの場に来ているのか、分かっていないらしい。まるで野次馬の集まりだ。そういえば、暴走する安倍を止められない国会も、女性議員へのやじを笑い飛ばす都議会も、野次馬ばかりの無用な存在なのかもしれない。

日米国会議員連盟総会

ぼんぼん政治家の金目発言
 安倍一人勝ち状態で、自民党の傲慢さが増したというべきか。16日、石原伸晃環境相が、東京電力福島第一原子力発電所の事故の除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設の建設をめぐり、「最後は金目(かねめ)でしょ」と発言。被災地の怒りに火をつけた。何でもカネで方が付くと信じている二世のボンボンらしい一言だったが、政権の姿勢を問われかねない事態に――。石原氏は発言を撤回し、謝罪行脚の日々となった。父親の石原慎太郎氏も品性を疑われるような発言が多い政治家だが、息子の方はさらに下劣というしかない。自民党の中には石原氏の金目発言を擁護する向きもあり、事実、野党が提出した問責決議を否決している。被災地にではなく、強い政権に寄り添った形だ。

最低レベルの東京都議会
 次いで18日。東京都議会で質問中の塩村文夏都議(みんなの党)に対して、「結婚した方がいいんじゃないのか」、「産めないのか」などのやじが飛んだ。国内外からの厳しい批判を受けて、自民党の鈴木章浩都議が名乗り出たが、当初は否定。追いつめられた末の自首だった。しかし、「産めないのか」発言の主は未だに頬かむり。こちらは、政治家というよりまともな大人の域にさえも達していない。発言も恥なら、その後の行動はさらに恥。悪いことをしたら謝るという、あたりまえのことができない。

 都議会自民党は全く反省していないらしく、「産めないのか」と言った都議の特定をせず、25日には議会を閉じてしまった。幕引きを図る構えだが、そうはいくまい。みんなの党が言っているように、本当に声紋鑑定が可能なら、早晩「犯人」は特定されるはず。みんなの党がやらなくても、ネット社会はたやすく突き止めるだろう。ここでも自民党は道を間違っている。

 やじを飛ばした都議だけの問題ではない。やじが発せられた直後、議場全体に笑いが拡がっており、舛添要一東京都知事も顔を綻ばせている。事が大きくなって弁解はしたものの、知事が一連のやじを「聞こえなかった」というのは、どう見ても不自然。あくまでも善意の第三者を装いたいのだろうが、多くの国民が知事の本性を見抜く結果になった。“類は友を呼ぶ”ということなのか、自民党の推す首長には、品性を欠く輩が多い。

議会中にフィットネス通いの福岡市長
 こちらは、同党に担がれて当選した高島宗一郎福岡市長の話。あろうことか市議会開催中、しかも平日の業務時間中にフィットネスクラブで遊んでいたというのだから、開いた口が塞がらない。議会でフィットネスクラブ通いを批判された翌日には、自身のフェイスブックで下の写真を公開。「なにが悪い」と開き直った。筋金入りのバカ殿さまということだ。

フィットネス

 この市長、平成22年の市長選では、妻や子どもと一緒の写真を自身の宣伝用印刷物に使い、多数に配布。市民には、よき夫、よき父を印象付けながら、初当選から3カ月あまりであっさり離婚した。さらに、その事実を記者らとの飲み会の席で披露し、オフレコ扱いにして報道を封じる作戦に――。そのせいあって、福岡では3年以上経っても市長離婚のことを知らない市民の方が多いという。地元テレビ局のタレントアナあがりでマスコミの操縦には長けているが、「品性」とは無縁の市長さんだ。

 堕ちるばかりの政治家の品性。選んだ国民が悪いという考え方もあるのだろうが、それは間違いだ。有権者を騙す政治家の方が悪いに決まっている。品性とともに、人格も見極めるすべはないものか……。



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