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福岡市給食センター 落選の土地は選定地の半額以下
疑惑の土地選定(4)

2016年5月31日 09:45

売地看板 疑惑の土地選定を巡り、新たな事実が判明した。福岡市教育委員会が進める第3給食センター(仮称)整備事業。用地選定は「公募」の形式をとっていたが、じつはその1年前から給食センター整備地を建設業者「アスミオ」の所有地に絞り込んでいた疑いが濃い。
 公募に応じたのは2者。このうち、選定から漏れた市内の不動産業者が、公募にあたって市側に提示した土地の価格を明らかにした。
(写真は、第3給食センター整備予定地に立つ売地の看板)

仕組まれた「公募」
 
第3給食センターの用地選定は、仕組まれたものだった――。先週、それを証明する数々の事実が存在することを報じた。公募の1年前、市教委が入手していた建設業者「アスミオ」所有地の登記簿と公図、アオスミの代表者と市教委部長との面談記録、唐突に決まった事業用地の「公募」、アスミオ側だけに伝えられた市教委の土地買収予定価格、情報公開に対する消極的姿勢、不動産鑑定業者による土地評価報告書の非公表……。一連の流れは、特定の業者に対する便宜供与を疑わせるものだ。「公募」は疑惑隠しの道具だったと見るのが自然だろう。改めて、土地探しが始まった平成26年から用地選定までの流れを下の表にまとめた。

1-2.jpg

 初期段階での市教委部長のアスミオ側との接触。公募直前の財政局の唐突な通知。いずれも、アスミオとの土地取引を実現させるためとしか思えない不自然なものだった。今年に入ってからの動きはさらに露骨。不動産業者が応募した土地を選考に残すため、農地転用についての照会日時をズラすなど、意図的な操作を行っていた。

隠された土地価格
 
HUNTERは先週、改めて不動産業に取材。事業用地応募申請書に記されていた土地の価格を確認した。土地の所有権者が複数で、宅地と農地に分かれていたため平米単価は約21,000円から最高で60,000円。12,000㎡の土地代合計は、3億円以下だった。ヒアリングの中で市教委がアスミオ側に提示した簡易評価額は6億3,000万円。不動産業者が提示した土地の価格が、いかに低いものだったかが分かる。市教委が一番隠したかった情報は、不動産業者が提示した土地の価格だったと見られる。

理不尽な選考結果
 
公募が成立した段階で、不動産業者側の土地は用済み。市教委が設置した「第3給食センター(仮称)整備運営事業用地審査委員会」は、理不尽な言いがかりをつけて、不動産業者側の土地を最終選考の対象から外していた。下が、不動産業者に送り付けられた選定結果の通知だ(赤い囲みとアンダーラインはHUNTER編集部)。

審査結果0.jpg

 『公募エリア外』とあるが、これは事前相談の段階で業者側が市教委に確認していたこと。それでも応募するように説得したのは、市教委の方だったという。『安定的な調理後2時間以内の喫食が担保できない』とあるが、そんな条件は公募要件の中には存在しない。下が市教委の公募要領だ(赤い囲みはHUNTER編集部)。

選考結果通知-2.jpg

 地理的条件として挙げているのは≪各中学校及び特別支援学校まで50分以内に到着できること≫。不動産業者側の土地は、この条件を満たしていた。『安定的な調理後2時間以内の喫食』という文言は、市教委側による後付けの条件。50分という制約を満たす不動産業者側の土地に、難癖をつけただけの話だ。『農地転用不可』にしても、市としての正式な判断が下せなかったため、選定段階ではあやふやに処理していた。

 なぜこうした不正に近い選定が行われたのか?次の配信記事で、その背景に迫る予定だ。



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