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「保育園落ちた」批判の山田宏氏 貸付金2億2千万円への疑問

2016年4月12日 08:10

山田氏側団体収支報告書 先月31日、自民党東京都連の会合で山田宏・元次世代の党幹事が、保育園の入所選考に落ちた母親が書いたブログ「保育園落ちた日本死ね!!!」を痛烈に批判した。「産んだのはあなた」、「落書き」――ブログの主が居ないのをいいことに、言いたい放題。子育てで苦労しているであろう女性を誹謗して、さらに傷つけた形だ。
 その山田氏、発言を問題視した報道には即座に反論したが、自身の政治資金に対するHUNTERの取材に対しては、だんまりを決め込む構えのようだ。同氏が話せぬ、カネの問題とは……。

「保育園落ちた」を誹謗し炎上 
 山田氏は、今夏の参院選比例区に自民党公認で立候補予定。都連の会合での問題発言は、その日のうちに報道され、山田氏は自身のフェイスブック上で即日反論を行っていた。

山田宏FB1

 「保育園落ちた」の内容に、共感が広がっていたのは周知のとおり。国会を動かすほどのパワーがあったのだから、「落書き」呼ばわりした山田氏への反発も大きかったはずだ。批判が相次いだとみえ8日後、山田氏のフェイスブックで事務所スタッフが批判の打消しを図っていた。

山田宏FB2

 『ある部分だけを切り取られ』、『一部発言が抜き出され』―― 暴言、失言で問題になった政治家側がよく言う言葉だが、「保育園落ちた」のブログはネット上で公開されたもの。執筆者はメディアの取材も受けており、「落書き」ではあるまい。

山田氏めぐる「政治とカネ」の問題
 HUNTERが取材のため山田氏側に確認を求めたのは、同氏をめぐる「政治とカネ」の問題について。同氏が政治団体に貸し付けた「2億2,000万円」の原資や返済状況を確認するためだった。

 山田氏は、平成22年に「日本創新党」を設立。同党は、国政選挙で敗戦続きとなったことを受けて平成24年に解党した。政治団体としての日本創新党はその後、「創新」と名称変更して存続。平成26年には「自由主義政経フォーラム」と再び団体名を変えていた。

 山田氏は、設立年に日本創新党へ2億2,000万円を貸付け。団体名が変わってからも、貸付金2億2,000万円は未返済のままとなっている。下が、自由主義政経フォーラムが総務省に提出した平成26年分の政治資金収支報告書である。

山田氏側団体 収支報告書

 今月4日、HUNTERが山田氏側に送付した文書取材の内容は、以下の通りだ。


1、貴殿は、平成22年に設立された「日本創新党」に、2億2,000万円を貸し付けておられます。この政治資金の原資は、(…本稿では個人名を省略…)側から借り入れたものだったという証言があります。事実関係に間違いございませんか?

2、直近公開の政治資金収支報告書によれば、日本創新党が「創新」から「自由主義政経フォーラム」と名称を変えた今も、2億2,000万円の貸し付けが残されたままです。平成26年6月にご質問した折には、「現在創新より少しづつ返済をうけている状況です」とご回答されていましたが、貸付残高は変わっていません。前回のご回答は虚偽だったということでしょうか?

3、「自由主義政経フォーラム」の政治資金収支報告書によれば、平成26年12月28日に「770,000円」を貴殿に返済したことになっています。しかし、「創新」提出の平成25年分政治資金収支報告書も「自由主義政経フォーラム」の26年分報告書も、貸付金2億2,000万円の額に変動はなく、貴殿が770,000円を貸し付けたことを示す記載はありません。この点について、ご説明願います。

 これまでの取材で、平成22年の日本創新党設立当時、山田氏側がオーナー企業の創業者らから億単位の資金提供を受けていたとの疑いが浮上。事実関係の確認と、平成26年の取材に対する回答との整合性を問う必要が生じていた。26年は、山田氏が「日本創新党」に貸し付けた2億2,000万円の原資の出資元、出資者と見られている企業のオーナーとの関係、返済計画などについて質問取材していた。その時の回答が下の文書だ。

山田宏回答

 前述した通り、山田氏の貸付金2億2,000万円は減っておらず、未返済の状況。その後の調べで、政治団体「創新」時代の24年に≪借入金利息≫として、25年に≪返済≫名目で、自由主義政経フォーラムと名称を変えた26年には≪借入金返済≫としてそれぞれ77万円が山田氏に支払われていた。4日の質問書で25年の77万円について聞いたのは、利払いではなく≪返済≫となっていたためだ。

 自由主義政経フォーラムの会計責任者に話を聞いたところ、同団体には元本を返済する資力がなく、利払いだけで精一杯の状況だという。同団体の年間収入は百万円単位でしかなく、年々細る一方。2億2,000万円の返済は、事実上不可能と見るのが普通だ。会計責任者も、渋々ながら返済が無理であることを認めている。

 山田氏が2億2,000万円を貸付けて約6年。日本創新党の流れを引き継いだ自由主義政経フォーラムは、解散しようにもできない状況だ。もらったカネか、借りたカネか?巨額政治資金の原資と、その出資元について、山田氏は答えるべきだろう。しかし、今月4日の文書取材に対し山田氏側は無反応。11日に再度質問文書を送付したが、出稿までに電話連絡さえなかった。事実上の取材拒否。都合の悪い話になれば“だんまり”というのでは、政治家としての資質が問われよう。



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