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問題発言で炎上した防衛大臣政務官の本当の狙い
特定秘密保護法違反 第一号は政府要人?(下)

2016年4月27日 09:40

藤丸敏防衛大臣政務官 佐賀市内で開かれた講演で、オスプレイ配備がもたらす地域振興策について講演を行った藤丸敏防衛大臣政務官。大物ぶりを示したかったのか、2月に北朝鮮がミサイルを発射した際、日本側が1分後にレーダーで捉えていたことなど公表されていない具体的な探知状況を明かしていた。特定秘密に触れた可能性もある。
 はしゃぎ過ぎた同氏は講演のなかで、佐賀県知事や地元自治体でさえ聞かされていなかったオスプレイ関連予算の内訳を、防衛省から入手した資料まで使って披露。佐賀県を混乱させたことで批判を浴び、釈明に追われる事態となっている。
(右が藤丸敏衆院議員。同氏の公式HPにあった画像より)

「アセス逃れ」、予算額 ― 内幕もペラペラと 
 3月28日に行われた問題の講演は、佐賀市多久・佐城地区商工会の研修会でのもの。藤丸氏は、オスプレイ配備がもたらす地域振興策や現在までの経緯について、70分間にわたり説明を行っていた(昨日既報)。以下、昨日報じた前半部分からの続き。

 佐賀の話に移りたい。佐賀空港付近に70ヘクタール程の土地がある。元々は、九電工が太陽光発電をしたいと名乗り出ていた土地だ。3年程前、その土地にオスプレイを配備してはどうかという話が持ち上がった。防衛省は半分程度を(取得しようと)検討してきた。35ヘクタール以上になると、環境調査(アセスメント)をしないといけない。しかし、35ヘクタール未満だとそこまでの調査はいらないということで、とりあえず30ヘクタールを買おうということだ。私は全部買えと言っているのだが、そうなると調査がいる。ひとまず一部買って、残りは九電工がやめたときにまた考えるという風に言えないのか、と言ってきた。ただ、九電工は借りると言っており、この辺りは今から話が進んでいくということになる。

 ≪35ヘクタール未満だとアセスはいらない。だから、とりあえずそれ以下の土地を買う≫――これが防衛省の考えだとすれば、明らかなアセス逃れ。組織をあげた脱法行為と言っても過言ではあるまい。防衛省の計画によれば、オスプレイ配備に伴い整備される新駐屯地の面積は確かに30ヘクタール。アセスの必要はない。大臣政務官が防衛省の本音を語った形だが、コケにされた佐賀県側が猛反発するのは当然だろう。

 このあと藤丸氏は、佐賀空港関連施設整備予算106億円の内訳を詳細に披露。佐賀県知事も聞かされていなかったという調査費、基本検討費、造成設計費、実施設計費、敷地造成費、用地取得費、移転補償費などの額をすべて明らかにしていた。藤丸氏は、この際に使用したパワーポインントで作成された資料の数字を、防衛省側から入手していたことを国会で認めている。

影響力誇示の狙いは……
 一連の発言を検証して浮かんだのは、講演内容を作文したのが誰かという疑問だ。国会での藤丸氏の答弁ぶりを見ても分かるが、普段の藤丸氏は極端な演説下手。2012年の初当選以来、地元での集会に出席する場合は古賀誠元幹事長とセット。聞き手の心をつかむ話術を心得ている古賀氏に対し、藤丸氏は短い挨拶でさえアンチョコ頼りで、地元支持者から「国会議員が務まるのか?」といった声が上がるほどの状況が続いてきた。それが、講演当日はまるで別人。乱暴ではあるが、話の筋立ては整然としている。講演の原稿を書いたのは防衛省の役人ではなかったのか?同じように見ている関係者は少なくない。

 藤丸氏を秘書時代から知る関係者は、次のように話す。
 「講演の内容を読ませてもらった。率直に言って、藤丸さんの事務所にこれだけの話の原稿を書ける人材はいないと思う。古賀(誠)先生なら、自分の言葉で、もっと上手く話しただろうに……。
 原稿を書いたのは、おそらく防衛省の役人か国会関係者。防衛省の内部資料を使ったのは事実だろう。古賀先生なら、絶対にこんな軽率なマネはしなかっただろう。講演当日は藤丸さん一人。古賀先生がいなかったことで、調子に乗ったということだ」

 守秘義務違反や特定秘密保護法違反が疑われる藤丸氏の講演内容。予算をチラつかせ、影響力を誇示する政治家の狙いは「利権」というのが相場だが……。



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