車を運転して出向いた先で飲酒――。当然、ハンドルは握れない。駐車場に車を止めて帰るか、「運転代行」に頼るしかない。庶民にとって、たまにならあり得る話だが、政治活動で年間30回前後も「運転代行」を呼ぶというケースがあることが分かった。
税金で運転代行を使いまくった格好となっているのは、安倍晋三首相が支部長を務める「自由民主党山口県第四選挙区支部」。その額は年間約120万円だというのだから、あきれた浪費である。
「運転代行」頻繁に利用
首相が代表を務める「自由民主党山口県第四選挙区支部」が山口県選挙管理委員会に提出した平成26年分の政治資金収支報告書によれば、同支部はこの年、個人や企業・団体などからの献金に政治団体の寄附などを加え計1億1,273万4,043円の収入。そのうち1,900万円が自民党本部から支給された政党交付金だった。収入の一部が「税金」であることは間違いのない事実だ。(下が報告書の該当ページ)
支出総額は7,403万4,693円。このうち、119万5,410円が「代行タクシー代」として支払われていた。1月から12月まで毎月の運転代行利用。回数にして25回。一番少ない額で1万2,500円、下の報告書にあるように最大で10万2,510円という驚きの額もあった。
代行利用はかなり頻繁で、次に示したように同じ日に4件、計12万1,160円を支払ったケースもある。
同支部の平成24年、25年、26年の政治資金収支報告書から、「代行タクシー代」の支出を抜き出してまとめてみた。
平成25年は年間37回という多さ。3年間だけの集計で年平均30回、毎月2.5回も運転代行を利用していた。支出額も年々膨らんでおり、首相の自民支部では「運転代行」が常態化しているのが分かる。
どう見ても税金の無駄遣い
運転代行が一般的なタクシーより割高になるのは理解できるが、同支部の1回の支出は、最低でも1万円台。3万円台、5万円台、さらには前述したような10万円台の支払いまである。高額代金の理由として考えられるのは、複数回をまとめて払ったのか、1日に何台もの代行を頼んだのかのどちらかだが、市民生活のレベルとは明らかに異なる利用状況で、支持者へのサービスだった可能性さえある。しかも、支払い原資の一部は税金。どうみても不適切なカネの使い方だろう。
18日、安倍首相の地元である山口県下関市にある第四選挙区支部に取材の申し込みをしたところ、文書にしてFAXを送れとの指示。夜までの期限で回答を待ったが、「誰が、どのような目的で利用したのか?」という簡単な質問に、回答を得ることはできなかった。飲酒運転御法度は、子どもでも知っている社会のルール。しかし、わざわざ車で出かけて飲酒し、毎度毎度運転代行を頼むことが常態化しているのでは、あまりにお粗末というものだろう。税金の無駄遣いであることは、疑う余地がない。