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島尻沖縄担当相側 選挙区内の祝儀・広告に公選法違反の疑い

2016年2月 2日 09:00

島尻安伊子沖縄担当相 島尻安伊子沖縄担当相が代表を務める自民党支部が、選挙区内への寄附や有料広告を出していた疑いが持たれている問題をめぐり、沖縄県選挙管理委員会への情報公開請求で入手した領収書から、いずれの支出も公職選挙法の規定に抵触する可能性が高いことが分かった。
 寄附や広告代などの実態については先月10日、島尻氏の秘書の指示に従って文書による質問取材を行っているが、島尻氏側からの回答や連絡は一切なく、事実上の取材拒否が続いている。 
(右は島尻氏の公式ブログの画面)

選挙区内で祝儀、広告代
 島尻氏が支部長を務めているのは「自由民主党沖縄県参議院第二選挙区支部」。同支部が県選管に提出した政治資金収支報告書によれば、平成24年7月27日、名護市内に本社を置く建設土木業者「東開発」に、「祝儀代」として30,000円を支出していたことが分かっている(以下、報告書にある赤いアンダーラインと矢印はHUNTER編集部)。

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 また、平成26年9月17日には宜野湾市内の歌謡愛好家団体「ぎのわん歌謡友の会」に対し「広告代」として20,000円を支出。ぎのわん歌謡友の会は、毎年チャリティ歌謡ショーを行っており、このショーのプログラムには島尻氏の挨拶文が同氏の顔写真付きで紹介されている。

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 事実関係について聞くため、島尻氏の地元事務所に質問文書を送付したが、何度催促してもなしのつぶて。やむなく沖縄県選管に問題の支出を証明する文書を開示請求し、確認した。

公選法違反の疑い濃厚に
 まず、東開発への支出。「領収書が徴し難かった支出」として処理されていたが、その事情として記されていたのは「祝儀のため」。祝儀であろうと不祝儀であろうと、支出を証明する種類をもらうべきなのだが、島尻氏側はそれを怠ったらしく、支出の証明にはなっていない。ただし、支出目的は「祝儀」。しかも、株式会社に対するもので、公選法が禁じる選挙区内への寄附だった可能性が高い。

明細書

 次に歌謡ショーへの広告代支出だが、こちらは領収書が残っていた。

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 但し書きには「チャリティー歌謡ショー広告代」。公選法は、政治家が挨拶を目的とする有料広告を出すことを禁止しており、島尻氏の顔写真入りの挨拶文は、同法に違反する広告だった疑いが濃い。

 一連の疑惑について確認するため、島尻氏の事務所に対して送った質問文書は、島尻氏の秘書が「取材なら文書で提出しろ」と指示してきたもの。「選挙(宜野湾市長選)で多忙」「手分けして慎重に調査」などと時間稼ぎをしたあげく、事実上の取材拒否に転じており、説明責任を放棄した形だ。“逃げ得”を狙うつもりだろうが、そうはいかない。島尻氏の「政治とカネ」をめぐる疑惑については、近日中に続報を配信する予定だ。



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