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犯罪のカネが政治資金に? ― 福岡市長の「政治とカネ」 ―

2016年2月 1日 08:25

収支報告書 「政治とカネ」をめぐるうさん臭い話は、永田町だけに止まらないようだ。
 高島宗一郎福岡市長の政治資金パーティーに偽名を使って参加していた指名手配犯の初公判で、HUNTERが報じたパーティー参加者名簿にあった名前が、捕まった手配犯のものだったことが証明された。検察側の冒頭陳述による。
 さらに、別のパーティー参加者も共犯者の偽名だったことが判明。市長に提供された政治資金が、違法に集めたカネの一部だった可能性が高まった。犯罪者との関係について、改めて市長に説明を求める声が上がりそうだ。

出資法違反で億単位の被害 
 昨年10月、出資法違反(預り金の禁止)の疑いで指名手配されていた白石勢輔被告(58)が、熊本県警に逮捕された(11月既報)。白石被告は、東京都港区の六本木ヒルズ内に登記上の本社を置く「株式会社プレシャスインベストメント」のファンドマネージャーとして、元本保証を謳って投資ファンドへの出資を勧誘。平成23年から24年12月にかけて熊本、宮崎、福岡などの顧客から、計1億1,850万円を違法に集めたとされる。

 検察側の冒頭陳述などによれば、プレシャスインベストメントの設立は平成22年10月。白石被告らが、それ以前に経営していた会社を舞台に刑事事件を起こしたことから新たに作られたとされ、登記上の本社となっている六本木ヒルズの該当フロアには入居の形跡すらなかった。会社の電話番号にかけても英語で留守番メッセージが流れるだけ。典型的なダミー会社の手法で、多くの人を騙していたと見られており、被害総額は6億円以上になるとも言われている。熊本県警が昨年10月末、東京都内で潜伏中の白石被告を逮捕。その後起訴され、先月熊本地裁で初公判が開かれていた。

 冒頭陳述で検察側は、白石被告が複数の偽名を使って違法行為を繰り返していたと指摘。偽名の一つが「安達和彦」だったこと、さらに、一昨年3月にやはり出資法違反(預り金の禁止)の罪に問われ、熊本地裁で有罪判決を受けた白石被告の共犯者が、「小川健司」という偽名を使っていたことも明らかにしている。

パーティー参加で市長側に政治資金提供
 下は、HUNTERが独自に入手した、高島市長の資金管理団体「アジアリーダー都市研究会」が開催してきた政治資金パーティー『九州・アジア未来塾』の参加者名簿(抜粋)。プレシャスインベストメントの社員2名が含まれており、名簿の記載では、一人がファンドマネージャー「安達和彦」、もうひとりが営業部所属の「小川健司」となっている。

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 「安達和彦」が、公判中の白石被告の偽名だったことは述べてきた通り。先に有罪判決を受けた白石被告の共犯者が「小川健司」を名乗っていたことも明かされており、市長の政治資金パーティーに参加した2人が、人を騙して稼いでいたことは確かだ。

 「九州・アジア未来塾」は平成23年10月に第1回目が開催され、24年に3回、25年に3回、26年は2月と9月に計2回が開かれている。収入は、毎回約150万円から200万円。参加者は50人から60人程度で、1回あたりの会費は3万円という高額なものだという。23年から26年までの4年間で集めた政治資金は計1,531万円。市長にとっては、貴重な資金源となっている。

 一方、白石被告らが出資法違反となるカネ集めを行っていた時期は23年~24年。25年には別の詐欺をはたらいていた可能性があり、市長側に提供された政治資金は、違法に集められたカネの一部だった可能性が高い。

 白石被告は、指名手配中にも東京-福岡を往復。実在する東京や福岡の複数の会社のファンドマネージャーを名乗り、別の詐欺事件を起こしていた疑いが持たれており、被害が拡大する可能性が大。高島市長サイドとどのような関係にあったのか、改めて注目が集まりそうだ。



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