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安倍晋三首相の姑息なカネ集め

2015年12月 2日 08:00

政治資金収支報告書 総務省と都道府県選管に提出された政党及び政治団体の政治資金収支報告書(平成26年分)が相次いで公表された。不適切な政治資金処理は後を絶たず、新聞・テレビでは連日「政治とカネ」の問題が報じられている。
 違法性が問われるケースで政治家が責任を追及されるのは当たり前だが、適法であったとしてもカネの使い方、集め方に疑問符がつくような場合がある。
 安倍晋三首相の資金管理団体「晋和会」の金集めはまさにその典型。一般庶民からすると考えられない効率の良さで多額の政治資金を得ているのである。その手法とは……。

3回の朝食会で6000万円
 下は、安倍首相の資金管理団体「晋和会」が総務省に提出した政治資金収支報告書のうち、昨年開催された計3回の「安倍晋三後援会朝食会」における収入等の記載。都内のホテルを会場に、5月20日に2,210万円、9月10日に2,112万円、10月31日に1,874万円をそれぞれ集めていた。昨年1年間で計6,196万円のパーティー収入を得ている。

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濡れ手で粟
 驚くべきは「対価を支払った者」の数。5月は363名、9月は418名、10月は341名という少なさ。5月の朝食会では富士フィルムが40万円、日本医師連盟が100万円、製薬産業政治連盟が40万円を支払っており、収入総額2,210万円から以上3件分180万円を引き、対価を支払った者の数360で除せば1支払者平均約56,000円。同様に9月の朝食会は1支払者あたり約49,000円、10月は約5万円が支払われていた計算となる。「対価を支払った者」とは団体、企業、個人のいずれかだが、超高額な朝食会であることは確かだ。
(*9月の朝食会には富士フィルムが40万円、製薬産業政治連盟が40万円の支払い。10月の朝食会では富士フィルムが50万円、日本医師連盟が100万円、製薬産業政治連盟は40万円を支払っている)

 朝食会開催経費の安さにも驚かされる。下は、3回の朝食会開催にかかった費用の記載を抜粋したものだが、5月の経費は約179万円、9月が約200万円、10月は約166万円。それぞれの朝食会で集めた政治資金の10分の1程度の費用でしかない。

3回の朝食会開催にかかった費用(抜粋)

 「晋和会」は平成25年にも6回の朝食会を開き8,580万9,895円を集めており、首相再登板後の2年間に同団体が朝食会で集めた総額は約1億5,000万円。これに対し、計9回の朝食会開催経費は1,400万円ほどとなっている。“濡れ手で粟”とは、こういうことを言う。

 一般的な国会議員の政治資金パーティーは、会費2万円程度で1,000万円から3,000万円を集めるのがやっと。会場の規模も1,000人以上収容のところを選ぶのが普通で、経費もばかにならない。安倍首相の朝食会が、いかに効率の良い金集めであるか分かる。

無視される「大臣規範」 
 問題は、首相自らが閣議決定された“決まり”を無視していることだ。平成13年に閣議決定された「大臣規範」(正式名称:国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範)には、営利企業等との兼職禁止や株式取引の自粛の他、「パーティーの開催自粛」について次のように定めている。

政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する。

 平成25年と26年に開催された9回の首相朝食会は、25年9月開催分(収入額986万円)を除きすべて1,000万円以上の収入を得ている。政治資金規正法は1,000万円以上を集める政治資金パーティーを「特定パーティー」として区別するよう求めており、首相の朝食会の大半は法のいう「特定パーティー」。もちろん、「大規模ではないから大臣規範には抵触しない」などという身勝手な主張は通用しない。

 憲法さえ無視する首相、大臣規範など眼中にないのかもしれないが……。



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