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樋渡元武雄市長の後援会 政治資金処理の杜撰さ露呈
自民支部からの寄附 報告書の記載一致せず

2015年12月 1日 08:30

ひわたし啓祐連絡所 佐賀県武雄市の元市長、樋渡啓祐氏陣営の杜撰な政治資金処理の実態が明らかとなった。
 30日、佐賀県選挙管理委員会が公表した樋渡氏の支援団体「ひわたし啓祐後援会」と「自由民主党佐賀県武雄市第二支部」の政治資金収支報告書によれば、寄附のやり取りを行ったことから本来合致すべき両団体の収入と支出の記載が食い違う状況。政治資金規正法に抵触する状態だが、二つの団体の会計責任者や事務担当者も説明がつかず、報告内容の信ぴょう性が疑われる事態となっている。


自民支部と後援会 食い違う報告内容
 公表された「ひわたし啓祐後援会」の収支報告書によれば、同団体は昨年12月、「自由民主党佐賀県武雄市第二支部」(支部長=稲富正敏佐賀県議)から7回に分けて計750万円の寄附を受け取っていた(下がその収支報告書)。

1.jpg

 後援会が自民支部から受けた7回の寄附の内訳は次の通りだ。

・12月5日  200万円
・ 同日   100万円
・12月8日  100万円
・ 同日   100万円
・ 同日   100万円
・ 同日   100万円
・ 同日    50万円
・12月16日  100万円

 一方、ひわたし後援会に7回、計750万円の寄附を行ったはずの自民支部の収支報告書には、同後援会への寄附について下のように記載されている。

2.jpg

 後援会への寄附は、12月15日の550万円及び12月18日の200万円の2回だけ。いずれも、後援会の報告書にはない日付だ。つまり、自民支部から後援会への寄附が、計750万円なのか1500万円なのか分からない状態。どちらの報告が正しいのか判断できず、両団体ともに間違いを犯した可能性さえある。

 収支報告書の提出にあたっては、領収書や振込証といった支出を証明する書類の写しを提出することが義務付けられており、届け出の段階で佐賀県選管のチェックが入る。当然、両団体の記載内容は支出証明と合致しているはずだ。寄附のやり取りをした自民支部と後援会の報告内容に食い違いがあるということは、どちらかが虚偽の報告をしたということに他ならない。立派な政治資金規正法違反である。

会計責任者も事務担当も説明不能
 確認のため、後援会の連絡先に電話したところ、応対したのは同団体の「事務担当者」。じつはこの人物、自民支部の事務担当者も兼任しており、さらに支部の会計責任者でもある。ふたつの団体の会計処理を一手に引き受けていた形なのだが、「事務担当を後任に引き継いだため、詳細の説明ができない」という。次に、後援会の会計責任者を務める武雄市議に電話し事情を聞いたが、こちらも説明不能。「現在の事務担当者」でなければ説明できないと言い出した。

 たらい回しに呆れたが、連絡がついた「現在の事務担当者」も事の経緯は分からずじまい。現時点で、寄附金に関する自民支部と後援会の報告内容が食い違っていることだけは認めたが、前任者と会って確認しなければそうなった理由は説明できないとしている。樋渡陣営の政治資金管理が杜撰であることだけは確かだが、報告内容への疑問はこれだけにとどまらない。

自民党本部からの推薦料を誤記載?
 ひわたし後援会の政治資金収支報告書には、昨年12月24日に、自民党本部から200万円の寄附を受けたとの記載がある(前掲の後援会収支報告書参照)。しかし、30日に総務省が公表した同党の収支報告書には、ひわたし後援会への支出など記載されていない。自民党本部が支出したのは、樋渡氏本人に対する200万円の「推薦料」。ここでもまた、双方の記載内容が一致しない状況だ。(下が自民党本部の収支報告書。赤いアンダーラインはHUNTER編集部)

3.jpg ひわたし後援会側が誤記載した可能性が高いが、同後援会が選管に提出した政治資金収支報告書に信頼性が欠けているのは事実。自民支部の報告内容にもさらなる疑問が生じており、樋渡氏をめぐる政治資金の動きに注目が集まりそうだ。



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