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破たん必至の「エコパークかごしま」 無視された包括外部監査の指摘
― 伊藤鹿児島県政の暴走 ―

2015年10月20日 09:35

鹿児島県庁 鹿児島県の伊藤祐一郎知事が建設を強行した100億円産廃処分場「エコパークかごしま」(薩摩川内市)が、事業試算の誤りから経営破たんの危機を迎えている問題をめぐり、平成25年度に実施された包括外部監査で、処分場を運営する「鹿児島県環境整備公社」の経営悪化に警鐘を鳴らされていたことが分かった。
 監査人は、当初計画と搬入実績の乖離により大幅な赤字を計上している他県の最終処分場の事例を指摘。県費支出増大の可能性に言及し、公社の先行きに注視する必要性があるとしていた。
 エコパークかごしまは、今年1月の開業以来、予定された産廃受入れ量を大幅に下回る状況が続いており、経営破たんが視野に入る状況。包括外部監査の指摘が、まったく生かされなかった格好だ。(写真は鹿児島県庁)

破たん必至の「エコパークかごしま」
 HUNTERが入手した鹿児島県環境整備公社の予算関連文書によれば、エコパークかごしまの収益が、開業初年度と2年目で、事業計画を大幅に下回るのは確実。これまでに搬入された産廃が、施設運営に必要な量の10分の1以下だったことが分かっている。

 公社が作成した平成26年度の「収支予算書」などによれば、処分場の開業初年度となった今年1月~3月期、1億260万円を事業収益として見込んだのに対し、実際の収益は約1,170万円。産廃受入れによる売上も計画の10分の1で、不足額は約9,000万円となっている。

 27年度は、前年度の2倍にあたる2億2,572万円の事業収益を見込んでいるが、4月~8月も依然として苦戦。通年で予定収益を大きく下回るのが確実だ。現状のままなら、予想される収益は7,000万円程度に止まるものとみられる。

 公社の1年間の運営費や施設の維持管理費が約3.6億円、建設費の借入金返済が約4億円で、最低でも年間約7億6,000万円が必要。しかし、収益不足に反比例し、支出が増えるといった赤字の垂れ流し状態も確認されており、公社が事業計画で示した数字からかけ離れるばかり。民間なら「倒産」が視野に入る経営実態だ。

監査人、経営悪化に警鐘
 公社の経営悪化に懸念を示していたのは、平成25年度の包括外部監査。監査人(公認会計士)は、鹿児島県が出資する団体の経営状況などを調べた同年度の監査報告のなかで、鹿児島県環境整備公社の経営状態について、次のように指摘していた。

 公社は、エコパークかごしま(仮称)について稼働後15 年間で産業廃棄物の搬入を完了し、埋め立て後15 年で安定化を完了する、30 年に及ぶライフサイクルを想定している。この期間にわたる事業計画については、現在策定中である。当事業の収支は大まかに言えば、
 収入:事業収入(搬入量×単価)
 支出:維持費(人件費、保守点検、水道光熱費等)
からなり、これから得られる資金が県への借入金返済財源となる。搬入量や単価は経済情勢に左右されることが考えられ、今後の情勢の変化によっては現在以上の県の支援が必要となる可能性もある
 今後の方向性と課題についての所管課の回答平成26年9月の完成に向けて、引き続き鹿児島県環境整備公社と連携を図りながら、工事の円滑な推進を図る。また、公社の健全な運営が図られるよう、必要な助言・指導などを行いたい。 環境整備公社では、現在事業計画を策定中であるため計画の詳細は今回入手することは出来なかった。管理型最終処分場が県内に1 か所もないことから、県内で発生する産業廃棄物は県内で処理するという体制確立のため、公共関与により整備することとなったものだが、建設費総額90億円を超す大規模事業であり、加えて他県では当初計画と搬入実績の乖離により大幅な赤字を計上している最終処分場の事例もあることから、エコパークかごしま(仮称)の営業開始後も引き続き経営状況を注視する必要がある

 監査報告が公表されたのは昨年3月。記述からも分かる通り、公社の事業収支はこの監査報告より後に作成されている。現状からして、他県の例とされた≪当初計画と搬入実績の乖離により大幅な赤字を計上している最終処分場≫が、そのまま当てはまる状況となっており、エコパークかごしまの運営は危機的状況。県公社の甘い収支計画が、さらなる県費支出を招く形となっている。包括外部監査の指摘を無視した県公社、さらにはデタラメな事業収支を容認した伊藤県政の責任が問われている。



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