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安倍独裁 許されぬ根拠
絶対得票率2割 長期低落が自民の実態

2015年9月 9日 09:35

コラ 8日、自民党総裁選が告示され、無投票で安倍晋三の再選が決まった。沈黙する与党議員のせいで民意無視の政権運営は加速するばかり。前日には、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡る政府と沖縄の協議が決裂し、国と沖縄の全面対決が確実に――。16日には、国民の反対をよそに参議院で安全保障関連法案が強行採決される見通しだ。
 主権者は国民のはずだが、実情は安倍独裁。勝手に国の根幹を変えるという、事実上のクーデターがまかり通ろうとしている。
 安倍と自民党に、ここまで傲慢な政治を行う資格があるのか?

総裁選 ― 力(ちから)とカネで無風を演出
 自民党は衆議院で290、参議院では115の議席を有している。400人あまりの国会議員がいるというのに、安倍に対抗した野田聖子衆院議員の推薦人20人が集まらなかったというのだから、呆れるしかない。同党の中は、まさに「大政翼賛会」。戦争に向けて、安倍と心中する覚悟のばか者ばかりということだ。

 「批判はあっても支持率は40%。官邸に逆らえば、(私の)次の選挙がなくなる」――ある自民党議員の言葉だ。たしかに、報道各社の世論調査では法案反対が多数を占めながら、政権の支持率は依然として4割もある。選挙の公認権は党本部にあるが、現在の自民党は事実上の官邸主導。今回の総裁選でも、離反しそうな議員を官房長官が次々に呼び出し、飴とムチで懐柔したのだという。材料は、選挙における党の支援とカネ。“おかしな動きをしたら選挙はないぞ”と脅す一方、各議員に100万円を配ったというのである。やはり、官房機密費は国政のための軍資金ではない。かくして、自民党は右向け右。戦争に向かって「挙党一致」の状態だ。

じつは脆い「一強」の基盤
 政治の世界、「数は力」と言われてきた。だが、自民党の数(議員数)が、じつは張りぼてであることを、再認識する必要がありそうだ。

 昨年暮れの総選挙、自民党が選挙区で得たのは2,546万1,448票。比例区では1,765万8,916票しかとっていない。有権者は1億432万人で、候補者や政党の得票数を有権者数で割った「絶対得票率」は、それぞれ24%、16%という数字になる。自民党は、およそ2割の有権者の支持しか得ていないのだ。

 そもそも、「一強」と言われてきた自民党が、必ずしも上り調子というわけではない。下は平成15年、17年、21年、24年、26年に行われた衆議院の総選挙における自民、民主、共産の小選挙区と比例区の政党別得票数をまとめた表だ。

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 平成21年の選挙で民主党に政権を奪われた時、自民党が小選挙区で得たのは2,730万票。比例区は1,881万票だった。そして平成24年、294議席を獲得して政権を奪い返していながら、小選挙区では200万票減らして2,564万票しかとっていない。比例区も同様に200万票減、1,662万票にとどまっている。

 票を減らしながら議席が急増するという不可解な現象が起きた最大の要因は“投票率”の低下。平成21年に69%台だったものが、24年には59%台へと下がったからだ。下がった投票率の分、他党の票が減っただけ。自民への支持が増えているわけではない。

 自民党は昨年の総選挙でも圧勝したが、小選挙区で得たのはは2,546万票。24年から、さらに20万票あまり減らしている。比例は100万票増の1,765万票となったが、それでも政権を失った時の1,881万票には届いていない。自民党は、民主党に政権を奪われた平成21年の選挙の得票を、以後一度も超えておらず、むしろ長期低落傾向にある。つまり「一強」は張りぼて、裏返せば、政権を揺るがす力も能力もない者の「言い訳」なのである。

変貌した自民
 かつての自民党は、各派閥の領袖が総理・総裁の座を激しく争い、疑似政権交代を繰り返すことで活力を得ていた。「三角大福中」「安竹宮」などといわれるほど人材も豊富だった。だが、現在の自民党はどうか?負けが見えている野田聖子の挑戦を受け止めることもできず、力とカネで押し潰すというお粗末さ。党内に人材がいないことを宣伝しているようなものだが、肝心の自民党議員がそれに気付いていない。「公より私」――そうした政治家が増えすぎたせいでもある。

 国民の半数以上が戦争法案に反対し、憲法学者の9割以上、さらには憲法の番人である最高裁判所の元長官までが違憲を指摘するなか、それでも安倍自民は法案を通すのだという。戦後70年、一人の戦争好きと変貌した政権政党のために、この国の民主主義が音を立てて崩れようとしているのは事実。だが、有権者の2割の支持しか得ていない政党に、そんな事をやる資格があるとは思えない。



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