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鹿児島・南大隅町 公然「官製談合」のカラクリ(1)

2015年8月31日 07:55

森田町長 同じ日に実施された5件の道路工事の入札が、いずれも100%に限りなく近い落札率。さらに、有力企業5社が工事を分け合うという「官製談合」の見本のようなことがまかり通っているのが、核ゴミ疑惑で揺れ続けてきた鹿児島県南大隅町(森田俊彦町長)だ。
 しかも、町民無視のこの状況を作り出しているのが“町役場”だというのだから、呆れるしかない。
 公然「官製談合」の背景にあるのは“森田町政と一部建設業者の癒着”――。これがどのような仕組みになっているのか、問題の入札結果で検証してみると……。

同日実施の入札5件、ほぼ100%の落札率
 平成25年12月24日に、南大隅町役場で行われた「指名競争入札」の結果が下。「川内線道路改良舗装工事」を五つの工区に分け、同じ日にそれぞれの工事の入札を行っていた。落札率は99.6%が1件、99.8%が2件、そして99.9%が2件。いずれも、ほぼ100%の落札率となっている。

南大隅入札H25.12.24-2

 役場の建設課によると、同町では土木工事を複数工区に分けた場合、先に落札した業者が次の入札を「辞退」し、他の業者に仕事を譲る決まりになっているのという。論より証拠。同町への情報公開請求で入手した「入札執行調書」を順番に見ると、その実態がよく分かる。

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「官製談合」町が主導
 第1工区の入札は、そろって「99.9%」の札を入れた3社での抽選。ここで落札した業者は、第2工区の入札を辞退している。そして、第2工区を落札した業者と第1工区の落札業者が、次の入札を辞退。その後も順繰りとなって、第5工区の入札参加は1社だけ。いわゆる「1者応札」の状態に――。通常なら不成立。日を変えて再入札のはずだが、なぜか入札結果通りの契約が行われていた。問題の5件の工事は、入札参加の5社で分け合うことが初めから決まっていたのである。

 さらに問題なのは、同町の定めた入札に関する規定が、こうした事態を可能にしている点だ。南大隅町は、1,000万円以上の工事入札に参加できる資格をAランクの業者に限定している。問題の入札が実施された当時の同町のAランクは5社。つまり、土木工事を5工区に分け、同日開札とした時点で、前述の順繰り落札が決定する仕組みとなっていたのである。加えて、同町では入札予定価格の事前公表がきまり。5件の工事のうちどれかを必ず落札できるというのだから、業者側が低い価格での競争をする必要などない。安心して100%に近い数字を出せたということになる。「官製談合」を町が主導した形で、Aランク業者は、笑いが止まらなかったろう。

愚行はつづく
 町内で、この入札に疑問の声が上がったのは言うまでもない。Aランクの5社は、そろって森田町長支持派。この年春に行われた町長選挙で、再選を果たした森田町長による“論功行賞”とも噂されたほどだった。しかし、核ゴミ疑惑で嘘とごまかしに終始した森田町政に「反省」する姿勢は皆無。問題の入札から約1年後、ほぼ同じ形での愚行が繰り返されることになる。

つづく



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