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言論封殺の井上貴博議員側 1300万円の処理巡り虚偽説明の疑い

2015年7月 7日 08:45

井上貴博議員選挙運動 安倍晋三首相に近い自民党若手の勉強会「文化芸術懇話会」で報道を封殺する発言を行った井上貴博衆院議員(福岡1区・当選2回)の陣営に浮上した公職選挙法違反の疑い。平成24年に行われた総選挙の際、県選挙管理委員会に提出した「選挙運動費用収支報告書」に、党からの寄附1300万円の記載を怠ったというもの。明らかな「虚偽記載」だが、疑惑発覚後の対応を巡り、同陣営が2重の虚偽を犯している可能性が高くなった。

 HUNTERの報道(2日既報)を受け、平成24年総選挙時に県選管に提出した選挙運動費用収支報告書の修正に追い込まれた同議員の陣営。当初、選挙の余剰金となった1300万円について「全額を通帳管理していた」と説明していたが、報道各社の取材には一転して「現金で残した535万円余りの存在を忘れていた」……。県選管で修正内容を確認したところ、場当たり的な説明で逃げようとしている同陣営の姿勢が浮き彫りとなった。

井上貴博議員 領収書虚偽記載は明らか
 井上氏が代表を務める「自由民主党福岡県第一選挙区支部」の政治資金収支報告書によれば、平成24年12月10日、自民党本部が交付金1300万円を同支部に支給。同日、井上氏個人に1300万円全額が選挙関係費として寄附されていた。しかし、同年12月に行われた衆院選の「選挙運動費用収支報告書」には、収入として自己資金7,646,405円を計上しただけ。党からの1300万円が消えた形となっていた。この時点で、公職選挙法上の「虚偽記載」があったことは疑う余地がない。

「1300万円通帳管理」が「残額535万円現金保管」に
 HUNTERの指摘を受けた井上氏側の会計責任者は今月1日、「会計責任者である自分の責任。ご指摘の通り、党から1300万円の交付金を受け入れ、選挙費用として支出計上しながら、選挙運動費用として報告することを怠っていた。言い訳になるかもしれないが、理解不足だったと反省している。1300万円は通帳で管理してきた」などとコメント。「早急に選挙運動費用収支報告書の修正を行う」としていた。

 修正が行われたのは3日。その後の新聞・テレビでの報道を総合すれば、井上氏側の主張は次のように変わっている。

  • 外部からの指摘を受け、交付金1300万円を選挙運動費用として計上するのを怠っていたことが分かった。3日に平成24年総選挙の選挙運動費用収支報告書を修正した。故意の虚偽報告ではない。
  • 自己資金は7,646,405円。差額の5,353,595円は現金で保管していたが、忘れていた。3日に、5,353,595円を自民支部に寄附する形で返金した。

 前段は言い逃れのできないところ。しかし、後段の主張が一般社会で通用するとは思えない。1日の段階では、HUNTERに対し1300万円全額が選挙余剰金として残ったことを認め、「通帳で管理してきた」としていた話が、その後の報道各社への説明では「差額の5,353,595円」「現金で保管」に変わっている。自己資金で足りたはずの選挙資金を、わざわざ税金で補てんしたというのだ。

修正後――余剰金は1300万円
 実際の修正はどのように行われたのか――県選管で確認したところ、同陣営は、自己資金に加え交付金1300万円を自民支部からの寄付の形で新たな収入として計上。2000万円を超える収入があったことを認めた形となっていた。下が、修正前の報告書と修正後のもの。修正後の報告書については、情報公開請求が6日付けで開示までに数日かかるため、閲覧した内容に基づきイメージで示した。

井上選挙収入.jpg

 一方、支出額は下にある報告書の当初記載通り。「9,965,525円」(2,319,120円はビラ、ポスターなど公費助成分)で、まったく変化はない。交付金1300万円が、まるまる余剰金として井上氏の懐に入った形であることは間違いない。

井上貴博議員 支出額

 井上氏側の報道各社への説明は、常識的に考えてあり得ないもの。税金の無駄遣いを是正する役割を担っている国会議員が、自己資金の補てんに税金を充てたというのだから開いた口が塞がらない。しかも、500万円を超えるカネの存在を、「忘れていた」というのだから、なお呆れる。金銭感覚のマヒというより、「虚偽」を疑うべき愚かな主張だ。

 問題の1300万円について、県内の自民党関係者からは、井上氏側の対応を危ぶむ声が上がっている。
「党本部からの1300万円は、とっくの昔に無くなっている。虚偽記載を疑われて、苦し紛れの言い訳や修正を行ったというのが実情だろう。嘘はいずればれる。井上さんは、通帳や会計帳簿を前に説明ができるのだろうか・・・・・・」

 関係者の話が事実なら、自民支部への返金分「5,353,595円」は、別の財布から持ってきたものということになる。1300万円の原資は「税金」。井上議員本人に説明責任が求められているのは言うまでもない。



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