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武雄市長 選挙運動まがいの交際費支出

2015年7月 1日 07:20

武雄市役所 タブレット型パソコンを使った教育事業で業者との癒着が疑われる事態となっている佐賀県武雄市の歴代市長が、市長交際費を使って選挙運動まがいの支出を続けていることが分かった。
 樋渡啓祐前市長、小松政現市長の師弟コンビで「祝儀」を乱発。大半を現金で渡しており、選挙区内への寄附が公然化した形となっている。
 樋渡氏に至っては、私的な会合の会費まで市長交際費から支出しており、同市における公費支出の在り方が問われそうだ。
(写真は武雄市役所)

公費利用の選挙運動?
 武雄市への情報公開請求で確認したのは、平成平成22年度から26年度までの市長交際費の使途状況。交際費管理用の預金通帳と、支出伺いなどから、問題点を抽出した。

 もっとも疑念が生じたのは「祝儀」と記した支出。5年間の交際費支出が626件あるうち、およそ5割にあたる293件が「祝儀」となっている。(下の写真参照)

「祝儀」と記した支出

 ゲートボール大会、婦人会の総会、老人会、地域や業界団体の集まりなどに1回3,000円~10,000円を支出しており、老舗旅館のお披露目への祝儀もあった。清酒を買って差し入れしたケースもあるが、祝儀の大半は「現金」。公金利用の挨拶行為が常態化している。

 公職選挙法は、政治家の選挙区内での寄付を禁じており、物品であれ現金であれ、祝儀はご法度。これらの支出が市長もしくは市長の政治団体から出ていれば即アウトとなるが、公金を原資とする交際費であるためセーフ。抜け道利用の政治運動と見られてもおかしくない格好だ。

 武雄市側に確認したところ、こうした支出は長年続いており、現金の場合は祝儀袋に「武雄市長」と書いて相手先に渡しているという。地方自治体の首長が、交際費を使って酒や物品を選挙区内の集まりに提供する事例は皆無ではない。しかし、現金を渡すというのは極めて稀。誤解を招きかねない交際費支出は、再検討すべきであろう。

私的会合への支出も
 問題がありそうな支出は祝儀だけではない。下は「接遇」目的の2件の支出。つまりは接待ということだが、相手は企業関係者とみられる。黒塗りされているため氏名が分からないが、「株式会社」とあるのがその証し。『事業打ち合わせ』『教育関係打ち合わせ』が目的とされている。なぜ市長が企業関係者を接待しなければいけなかったのか……?

市長交際費3-1 市長交際費3-2

 会社名を隠さなければならない支出があった一方、こちらは堂々と情報開示。「ソフトバンクプレーヤーズ」の関係者と都内のホテルで飲食を共にしていた(下参照)。支出費目は接遇ではなく「その他」。どのような基準で交際費の費目を決めているのかまるで分らない。

市長交際費1

 目的外支出と見らえるのが下のケース。「赤門市長会」に支払った6,000円の会費である。赤門市長会とは、東京大学出身の市長の私的な集まり。兵庫県明石市の泉房穂市長が事務局長を務めているとされ、領収書には確かに「泉」のハンコが捺してある。

市長交際費2

 明らかに不適切支出。私的な集まりには自費参加が当然だ。樋渡前市長時代の支出だが、公私混同である以上、これは市側に返金するのが筋。それよりなにより、武雄市は、市長交際費の在り方について再考する必要がありそうだ。



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