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癒着は深刻 ― 伊藤鹿児島県政と建設業界

2015年7月24日 08:45

鹿児島県庁 鹿児島県(伊藤祐一郎知事)の外郭団体「鹿児島県住宅供給公社」が、鹿児島市松陽台町で分譲している戸建住宅地「ガーデンヒルズ松陽台」の土地を建設関連業者に買い取らせていた問題で、同様手口での販売が、公社側説明を上回る108区画に上っていたことが明からになった。
 業者に利益をもたらす形で販売された区画は、全体の4割超。公社による事業の失敗を糊塗するため、一般顧客に不利益を与えた格好だ。背景にあるのは、伊藤県政と建設業界の「癒着」である。
(写真は鹿児島県庁)

公社分譲地 ― 業者への販売は108区画
 下は、公社への情報公開請求で入手した文書を基に、ガーデンヒルズ松陽台の土地を買った業者名と、契約件数をまとめたもの。公社は、大手ハウスメーカーや県建設業協会加盟社など50社に、計108区画を販売していた。県公社の事業が、業者に利益をもたらしたのは確実。公共事業の在り方を逸脱した、ルール無視の販売方法と言える。

鹿児島県住宅供給公社 土地売買

 ガーデンヒルズ松陽台の戸建用地は284区画。残りが35区画であることから、販売総数全体の43%が事業者に販売されていたことになる。県公社は当初、業者に売った区画数について「90(区画)以上」と説明していたが、実際の契約件数は、これを大きく上回っていた。公共事業で造成した土地を使って、業者に利益をもたらした形。住宅建築前に取得地を売りに出した業者もいて、公社が「土地ころがし」を容認していた可能性もある。

癒着の証明
 問題の背景に、伊藤県政と建設業界の癒着構造がある。松陽台の土地を買った50社のうち11社は、2009年に発覚したマリコン談合の当事者企業。事件を受けた県は、関わった建設業者(31社)に違約金を請求したが、その後、県議会が2度にわたって「減額」を決議。結局、県は業者側が負担すべき32億円の違約金を半分にする決定を行っていた。減額の見返りに、売れない住宅地を県建設業協会に押し付けたとの見立ても可能だ。

 松陽台の土地を買った建設業者の中に「植村組」の社名があるのも象徴的だ。同社と伊藤県政の結びつきは深い。昨年、地元の反対を無視して薩摩川内市川永野に整備された産業廃棄物の管理型最終処分場「エコパーク鹿児島」を巡っては、県が同社のグループ企業から二束三文の土地を5億円で取得したうえに、約100億円の工事を同社が参加する特定建設工事共同企業体(JV:「 大成・植村・田島・クボタ」)に発注。経営難に陥っていた同社の救済策だとして、厳しい批判が出ていた。伊藤県政に「生かされた」植村組にとって、松陽台の土地など安い買い物に過ぎない。

失政の証明
 販売用地の4割以上を業者に売りつけたということは、県住宅供給公社の宅地開発が「失敗」だったことを意味している。その延長線上にあるのが、松陽台で進められている「県営住宅の大増設」である。もともと、県公社がガーデンヒルズ松陽台で販売を予定していた戸建用地は470区画。ところが170区画程度(平成23年2月までの実績)を売却したところで、伊藤知事が方針を大転換。分譲予定地で最大の面積を占める戸建用区画約5.6 haを、すべて「県営住宅」に変更するとして県が約30億円で取得していた。失政のツケを県民に払わせたということだ。

 突然の方針転換に地元の松陽台自治会は猛反発。県営住宅増設反対を訴え続けてきたが、知事は一顧だにせず、昨年から県営住宅建設を強行している。県営住宅の建設工事業者の中に、ガーデンヒルズの土地を買った業者が含まれていることも分かっており、ここでも「癒着」を証明した形となっていた。事態はまさに深刻。伊藤県政は汚れきっている。



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