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地震に火山 それでも原発動かしますか?

2015年6月 4日 10:05

川内原発 先月29日、鹿児島県屋久島町口永良部島で新岳が大噴火し、全島避難となった。昨年は御嶽山(長野県・岐阜県)の噴火で多数の犠牲者を出し、今年に入ってからは桜島(鹿児島県)、蔵王(宮城県・山形県)、箱根山(神奈川県)などで火山活動が活発化。火山大国であることを、改めて思い知らされる状況だ。
 翌30日には、小笠原諸島沖を震源とするマグニチュード8.1の地震が、日本列島を揺らした。北海道から沖縄まで揺れが観測されるという稀な事態。世界的にも珍しい現象だったという。
 火山に地震――人間の力では止めようのない自然現象と向き合わざるを得ないこの国に、もっとも不適な施設がある。そのうちの一つが、夏にも再稼働する見通しだというが……。(写真は川内原子力発電所)

火山列島
 現在、火山噴火予知連絡会が認定した活火山の数は110。このうち、「火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山」に選定された火山は47にのぼる。下は、気象庁のホームページに掲載された47火山の分布図だが、近畿・瀬戸内・四国を除く日本列島の北から南まで、まんべんなく危険度が高い火山があるのが分かる。

火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山

 活火山すべてとなれば、状況はますます深刻だ。同じく気象庁のHPにある活火山の分布図(下)を見れば、近畿・瀬戸内・四国以外に活火山がいかに多いか一目瞭然。まさに火山大国である。

わが国の活火山の分布図

地震列島
 火山の少ない近畿、瀬戸内、四国が安全かというと、そうとは言えない。地震の原因となる「活断層」が、この国のいたるところに眠っているからだ。その数約2,000。確認できない深い地層にあるものを加えると、2倍から3倍の活断層があると断言する学者もいる。

 地震の原因は活断層だけではない。先日の小笠原諸島沖を震源とする地震がそうであったように、プレートの動きが大地震を引き起こす可能性もある。日本列島は、東が北米プレート、西がユーラシアプレートいう具合に二つのプレートに乗った形。東海地方の一部はフィリピン海プレートの上にあり、太平洋側の海の下は太平洋プレートといった具合だ。四つのプレート同士は常時押し合いを通けており、いつ大地震が起きても不思議ではない状態なのである。

 火山や活断層という爆弾を数多く抱える箱が、プレートという不安定な台の上に置かれた状態――それが日本だ。列島のどこに行っても安全な場所などないというのが実態だが、その日本に、54基もの原子力発電所が整備されてきた。東日本大震災によって引き起こされた福島第一原発の事故後、すべての原発が休止したが、鹿児島県薩摩川内市にある川内原発が、今年の夏にも再稼働する見通しとなっている。

川内原発再稼働というが……
 前掲の活火山分布図を見れば分かるように、九州は活火山だらけ。口永良部のほか、雲仙、阿蘇、桜島、霧島と大規模噴火の可能性を秘めた山が散在する。加えて多くの活断層。この状況で、なぜ川内原発が「安全」と言えるのか、理解に苦しむ。

 川内原発の事業者である九州電力は、“火山活動は監視しているから大丈夫”、“基準地振動の数字を増やしたから大丈夫”だと主張しているが、昨年から続く各地の火山爆発を、正確に予測した事例など皆無。地震に至っては、予知不可能というのが常識だ。「人命より経済」――一部の利益を守るため、平然と嘘をつき通した結果がフクシマの惨状だったはずだが、電力会社の体質はなにも変わっていない。ちなみに九電については、川内原発付近の活断層調査で、デタラメな調査報告を行っていたことが分かっている。

 シーベルトやベクレルといった用語さえ縁遠くなった感じのする日本。火山活動の活発化や地震の頻発は、「原発は危険だ」という自然からの警鐘に思えてならない。



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