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タブレット端末関連業務、1社独占の実態
佐賀県武雄市 「改革市政」の闇(4)

2015年4月24日 08:35

武雄市役所 佐賀県武雄市が、市内の小・中学校で実施しているタブレット端末を使った教育事業。実態を検証するための情報公開請求に対しては隠ぺいの連続。やっと出てきた公文書を精査してみれば、業者選定における「出来レース」疑惑が飛び出すといった呆れた状況だ。
 業者選定の出来レースは、即ち“不正”。主導したのが、「改革派」で知られた樋渡啓祐前市長本人かその周辺であったことが、市関係者への取材を通じて明確になりつつある。
 問題の出来レースが不成立になるか、あるいは当時の「記者クラブ」が機能してその事実を暴いていたとすれば、現在同市の小・中学校に配布され、不良品の山を築いている恵安社製のタブレット端末が導入されることはなかった。本稿は、その証明である。(写真は武雄市役所)

謎の「ドリームネット企画」
 2010年に「iPad」を利用した教育事業の展開を目指した武雄市が、総務省への交付金申請にあたって予算の積算根拠としたのが「ドリームネット企画株式会社」(東京都港区)の見積書。この見積書を作成したドリーム社と、約7,200万円で交付金によるiPad関連業務を受注した「汐留管理株式会社」(東京都港区)の代表者・役員は同じ顔ぶれ。積算用の見積書と、受託業務の見積書は、内容も金額もほぼ同じものだった。「出来レース」と見るのが普通だ。

 市側の説明によれば、それまでドリームネット企画との取引記録はなし。担当者たちは、どのような会社かも分からないまま、「上からの指示」でドリーム社に積算用の見積りを依頼していたという。武雄市で「上の意向」といえば、樋渡前市長の意向。市政の歪みは、当時の武雄市トップがもたらしたものだった。

 ちなみに、武雄市とドリーム社との付き合いは、積算見積りを依頼した時限り。市の職員は、現在ドリーム社がどうなっているのかさえ知らないという。HUNTERの調べでは、同社が休眠状態となっていることが分かっている。どこにも記録がない「謎の会社」と言っても過言ではない。

汐留管理の実態
 出来レースの結果、iPad関連の業務を受注した汐留管理だったが、実際の仕事はできなかったらしい。下は、武雄市が設置した「武雄市学校教育ICT人財育成・活用事業協議会」における会議などで使用された資料の表紙。作成は汐留管理ではなく「日本総研」となっている。

日本総研

 日本総研の正式名称は「株式会社日本総合研究所」。東京に本社を置く民間のシンクタンクだ。では、実務を日本総研が行っていたのはなぜか――市側に確認したところ「汐留管理は、日本総研を使うことを前提で仕事をうけた」(市側説明)のだという。出来レースの事実といい、第三者任せの仕事ぶりといい、汐留管理の税金を食い物にした所業には呆れるばかりだ。

汐留管理じつは「エデュアス」
 その汐留管理、代表を含む複数の役員が積算用見積りを作成したドリームネット企画の役員を兼任していた。下が証拠の一つとなった画面である(赤い矢印と囲みはHUNTER編集部)。

エデュアス

 これは、「エデュアス」という会社のホームページにある同社代表取締役社長のプロフィール。2010年に、同社とドリームネット企画の代表取締役社長に就任していたことが明記されている。2010年といえば、武雄市がiPadを導入して教育事業を行い始めた年。総務省の交付金事業をめぐって、出来レースが進んだ年でもある。

 ただし、2010年の段階では、エデュアスという社名の会社は存在していない。じつは「エデュアス」こそ汐留管理の現在の社名。汐留管理は2011年4月1日に、社名を「株式会社エデュアス(EDUAS)」に変更していたのである。ここで、タブレット端末を使った教育事業の流れをまとめた表を再掲する。

武雄市契約

 恵安社製の不良タブレット端末を納入したのはエデュアス。小・中学校向けに、2年に分けて2億1,869万6,236円を売り上げている。これを含めて、汐留管理=エデュアスが武雄市から受注した仕事は3件。総額で2億9,042万8,036円に上る。全体(約6億2,000万円)の5割。タブレット端末関係(3億8,233万1,233円)だけに限れば、なんと8割近くの予算を同社が独占していたことになる。

 冒頭で述べたが、早い時期に出来レースの事実が明らかとなっていれば、エデュアスが恵安製のタブレット端末を納入することなどできなかったはず。事業の検証が遅れたことで、癒着の闇が広がったとみるべきだろう。恵安製タブレット端末の選定経過を精査すれば、その点がより明確となる。

つづく
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