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佐賀県武雄市 改革市政の病状

2015年4月17日 10:25

武雄市図書館 このところ、佐賀県武雄市の実情を報じる機会が増えた。「改革派市長」として知られた樋渡啓祐前市長がご指導されてきた市役所。さぞや立派なお仕事をされているのだろうと期待感いっぱいで始めた取材だったが、結果は散々。「最低の自治体」と言わざるを得ない実態が、そこにあった。繰り返される嘘、隠ぺい、ごまかし――まさに病気である。
 初回で終わるはずの情報開示が、3度目を迎えた16日。HUNTERの記者は、改めて同市の病状が末期であることを思い知らされる格好となった。(写真は武雄市図書館)

開き直る総務課長
 人を騙したり、迷惑をかけたりした場合、一般社会ではまず“謝る”というのが普通だろう。まともな大人なら、子どもにはそう教えるはずだ。ところが武雄市役所の幹部職員には、その当たり前の常識が備わっていない。

 16日、樋渡前市長が推進してきたタブレット型端末を使った教育事業についての情報公開が一段落した。福岡市から武雄市に通うこと3回。もちろん好きで行ったわけではない。市側が「ない」と断言していた文書の存在が確認され、その後も次から次へと対象文書が増え続けた結果なのだ。騙されかけた記者としては、損害賠償を求めてもおかしくない形。情報公開を所管する総務課の課長には、正式に抗議をすべきだと考えていた。当然、市側の非を認め、謝罪なり言い訳なりがあるはず。ところが出てきた総務課長は、謝るどころか完全に開き直り。「(武雄市は)悪いとは思っていない」とうそぶいた。

武雄市総務課長名刺.jpg

 聞き間違いだろうと思い、再度“悪いということは認めるか”と尋ねたところ、課長は「いえいえ」。やはり反省するお気持ちがないのである。口辺に薄ら笑いを浮かべて記者の目を見据えてくる態度に、開いた口が塞がらなかった。

 文書の存在を隠していたことが露見し、請求者に3度も足を運ばせながら、「武雄市は悪くない」というのだから無責任も度を越している。無駄を悟って話を打ち切ったが、総務課長の態度を見ていて、批判した相手を徹底的に攻撃してきた樋渡前市長の姿勢を思い出した。なるほど、このクラスの連中が「樋渡改革市政」の現場責任者。いわば独裁者にへつらって出世した輩なのだ。まともな対応を期待した記者が、愚かだったということだろう。

大手メディアとの慣れ合い 
 姑息で愚かな連中というのは、相手によって態度を変えるもの。帰りしな、市役所の玄関でその象徴的なシーンを画像に残すことができた。下がその写真である。

武雄市役所玄関.jpg 玄関を出て左手の壁面に「歓迎 行政視察」。その下に「読売新聞社」と大書してある。同社の人間と思われる二人の名字には、ご丁寧に「様」。読売幹部の視察でもあるのかと市側に確認を求めたところ、やってくるのは記者で、武雄市の「教育改革」について、「東京」から取材に来るのだという。この歓迎ぶりからして、いずれ掲載されるであろう記事の内容は容易に想像がつく。まさに馴れ合い。武雄市の記者クラブから、市政批判の記事が出ないはずだ。都合の悪い相手には理不尽を以て応じ、じゃれついてくる手合いには最大限の便宜を図る――これが武雄市政の実態なのである。

ダンマリ決め込む樋渡後継
 トップの姿勢もいただけない。杜撰極まりない情報公開の実情について、2度にわたってコメントを求めた小松政市長は無反応。御用新聞を歓迎する一方、武雄市の情報公開条例に違反する事態であるにもかかわらず、HUNTERへの対応に時間を割く考えはないらしい。小松氏を後継市長に据えたのは総務省の先輩である樋渡前市長。どうやら悪い遺伝子まで、しっかりと受け継いでしまっている。

武雄市長名刺.jpg

聞いて呆れる「改革市政」
 公立病院の民営化、レンタル大手「TSUTAYA(ツタヤ)」と組んだ図書館再生、フェイスブックを活用した農産物の販売、学習塾「花まる学習会」(さいたま市)との提携、市内の全小・中学生に対するタブレット端末を使った授業……。樋渡啓祐前市長の行ってきた施策は確かに斬新ではある。しかし、一連の施策を進めたことが「改革」だったのかと問われれば、答えは「否」と言うしかない。市の土台を腐らせてしまっている現状は、改革どころか「改悪」。悪い病原菌をまき散らし、まともな行政機関としての機能を麻痺させたことが、改革であろうはずがない。病気に例えるなら末期。いずれ市民が泣きを見ることになるだろう。次週に予定しているタブレット端末事業についての検証記事が、それを証明するはずだ。

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