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福岡7区 「二人セット」解消なるか

2014年12月10日 08:55

福岡7区 古賀誠元自民党幹事長が強固な地盤を築いた衆院福岡7区。引退した同氏の後継として前回の総選挙で初当選を果たしたのは、古賀氏の秘書を務めていた藤丸敏前代議士だった。
 あれから2年。再び師走の戦いとなった今回の選挙でも、藤丸氏の支えは師匠の古賀氏。バッジをつけたあとも、選挙区内の主な会合には師弟そろって出席し、いたるところに掲示された党支部のポスターにも、両人の顔写真が――。独り立ちできない新人代議士に、有権者はどのような評価を下すのか。  

「二人セット」
 冒頭の写真でもわかるように、福岡7区は自・共対決。自民公認の藤丸氏と、共産党の江口学氏が一騎打ちする構図だ。前回総選挙まで民主党の顔だった野田国義氏が昨夏の参院選で当選したあと、後継者を決める間もなく衆院が解散。野党第一党である民主党も他の野党も候補者擁立を見送り、そのまま選挙戦に突入したのである。

 古賀元幹事長にとって、最も手ごわい刺客だったのが野田氏。かつて古賀氏の秘書を務め、その後八女市長となった野田氏は、平成21年の政権交代選挙で古賀氏に敗れたものの、比例復活。代議士として福岡7区での地歩を固めつつあった。しかし前回総選挙、民主への逆風下で古賀氏の後継となった藤丸氏に惨敗。参議院議員に転身したという経緯がある。

 引退したあとも、政界に隠然たる力を持つ古賀氏。当初、その古賀氏の後継となった藤丸氏は、よほどの大物と見られていたが、日が経つにつれ選挙区内からは「大丈夫なのか?」と先行きを危ぶむ声も――。理由は簡単。主な会合には師弟揃っての出席、選挙区内に掲示された自民党のポスターも、古賀・藤丸両氏の顔が並ぶ。挨拶を聞いてみると、主役はやはり古賀氏。迫力も、人を引き付ける魅力も、比べるまでもない。いつまでたっても続く「二人(ふたり)セット」(地元関係者)に、首をかしげる支持者は少なくないのだという。下は、昨年後半に藤丸陣営が配った「衆議院手帳」とカレンダーだが、これもやはり「二人セット」。手帳の表紙に注目してみると、「古賀誠・藤丸敏 後援会」。まるで二人の政治家を一つの後援会が面倒みているような装丁だ。

こがふじ手帳

 藤丸陣営は昨年、この手帳数千部を選挙区内で配布。政治とカネの問題が噴き出すなか、一部報道で手帳配布の事実が暴かれ、藤丸氏が釈明に追われる場面もあった。

頼みの古賀氏は1区に専念
 なかなか独り立ちできない藤丸氏だったが、今回の総選挙はいささか様相が違っている。頼みの古賀氏は不在で、福岡1区の選挙にかかりきりなのだ。1区では、前回総選挙で同区から出馬した前職の井上貴博氏と比例前職の新開裕司氏が、自民公認を巡って対立。党本部での調整もつかず、両人とも無所属で立候補するという異例の事態になっている。加えて、同区は民主元職や共産の候補、元市議らが入り乱れる激戦区(下の写真参照)。古賀氏は子飼いの新開氏を支援するため、慣れない1区で総力戦を展開しているのである。

福岡1区 ポスター掲示

 2年前の総選挙、県連段階で公認のお墨付きをもらっていたのは新開氏だったが、党本部の裁定で公認は井上氏に――。新開氏は比例に回され、同氏の後ろ盾だった古賀氏はかつてない屈辱を味わった。井上氏を推したのは、古賀氏とそりが合わない麻生太郎副総理。雪辱を期した今回の選挙で、古賀氏はなんとしても新開氏を当選させねばならない。共産以外の候補者がいない7区は安泰とみて、1区に専念しているのである。

 古賀氏不在で戦う初めての選挙。独り立ちを期待される藤丸氏がどのような選挙結果を出すのか、注目である。まさか「二人セット」の手帳は配るまいが……。



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