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総選挙「非自民」7割超 これは白紙委任ではない 

2014年12月15日 10:05

国会議事堂 「自民大勝」 ―― 投開票翌日のきょう、新聞各紙に自らの事前予測が正しかったと言わんばかりのの見出しが躍った。自・公で326議席は、確かに大勝だ。しかし、投票率は戦後最低の数字であり、自民党自体は公示前議席をわずかながら減らしている。一方、野党第一党の民主は頼りない党首が落選したものの、11議席増。退潮が指摘された維新は、1減で踏みとどまった。沖縄自民は四つの小選挙区で全敗を喫している。数字の分析はこれからとなるが、単純に「非自民」の有権者数を合わせると、日本全体が安倍の強権政治を容認したわけではないことがわかる。

大勝ではあるが……
 自民党の公示前勢力は295。今回の選挙で当選したのは、追加公認を含めて291人だ。大勝ではあるが、減らしたのは事実。報道各社の事前予想が「自民 300超」ばかりだったことを考えれば、安倍にとって横ばいは不満だろう。公明が4議席増やしたことで、与党が3分の2を超える326議席を得たことになるが、これは公示前の数字と同じ。戦後最低となった52%代の投票率に助けられた形だ。

 自民圧勝の報道に、多少ながら逆バネがはたらいたようで、民主は11議席増やして73。劣勢が伝えられた維新も選挙戦後半に追い上げ、1議席減の41を確保している。自民党以上に右寄りな次世代の党が2議席しかとれず、17議席も減らしたのは、右傾化への懸念の表れともとれる。他方、共産党は8議席から21議席へと3倍近い伸び。主張の中味がぶれない同党が、与党批判の受け皿となったのは事実だろう。

 安倍の強権政治にもっとも明確な「NO」を突き付けたのは沖縄だ。公示前、県内四つの小選挙区すべてを押さえていたのは自民党。しかし、先月の沖縄知事選で米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対し、翁長雄志知事を当選させた「オール沖縄」の候補者が、すべての選挙区で完勝している。自民の前職4人が比例復活したのは余計だったが、再び沖縄の民意が示されたことで、辺野古移設の今後が注目される。安倍が移設を強行するなら、「民意無視」という政権の姿勢が、これまで以上に明確となる。

 約1億人の有権者のうち、投票したのは5千万人強。半数近くの有権者が棄権した。多忙な師走、判然としない争点、受け皿不在、「自民大勝」の事前報道……。投票率が下がれば、有利になるのは組織を持つ自民・公明だ。加えて野党の準備不足。安倍の戦略が図に当たったのは確かだろうが、自民票は小選挙区で2千540万票(比例は1千765万票)。棄権した5千に野党票を加えれば7千500万人前後の「非自民」勢力が存在することになる。総選挙の結果は、決して安倍への白紙委任ではない。



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