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自民党「政策活動費」 安倍総裁に2か月で2億5,000万円

2014年10月15日 09:05

自民党 アベノミクスを自画自賛する安倍首相だが、増税ショックに加え、円安の影響を受けて物価は上がるばかり。実質賃金の低下で、庶民の懐具合はお寒くなる一方だ。
 そうしたなか、儲かっているのは一部の企業だけだと思っていたが、これが大間違い。政権政党の幹部たちは、使途自由で億単位のカネを動かしていた。
 領収書1枚、報告義務なし――自民党の「政策活動費」についてまとめた。

政権返り咲きで収入増
 平成24年の総選挙で大勝し、政権に返り咲いた自民党。この年から収入がアップしたことは、野党時代からの収入の推移を見れば一目瞭然だ。同党が総務省に提出した政治資金収支報告書によれば、次の通りとなる。

・平成22年 168億6,898万4,793円
・平成23年 146億6,376万7,068円
・平成24年 182億6,310万210円

 このうち、収入の柱である「政党交付金」の受取額はこうだ。

・平成22年 102億6,381万6,000円
・平成23年 101億1,468万5,000円
・平成24年 101億5,400万円

 ちなみに、今年9月に公開された「政党交付金使途等報告書」によれば、同党への平成25年の政党交付金は約151億円。所属議員が大幅に増えたことで受給額が50億円も増加、秋に公開予定の政治資金全体の収支は、さらに大きく膨らむとみられる。

ブラックボックス 
 永田町にあって、ブラックボックスの代表は「官房機密費」。年間で十数億円もの税金が、官房長官の裁量で、報償費や調査費名目でばら撒かれている。そして、永田町には、もう一つのブラックボックスが存在する。政党が、領収書1枚で所属議員に支給する組織対策費や政策活動費である。自民党の政策活動費の推移を見ると、政権に返り咲いた平成24年から急増しているのが分かる。

・平成22年 7億7,900万円
・平成23年 5億6,670万円
・平成24年 9億6,590万円

 そして下は、自民党の政策活動費について、平成22年から24年までの幹事長と総裁への支出をまとめたものだ。この間の歴代幹事長は大島理森、石原伸晃、石破茂。総裁は谷垣禎一から安倍晋三へと替わっている。

幹事長・総裁への政策活動費

 大島氏に4億1,000万、石原氏に約7億4,000万、石破前幹事長には2億6,000万円――けた違いのカネがわたっている。これらの政策活動費は政治家個人の領収書だけでOKとされており、何に使ったのかについての報告義務がない。不透明極まりないカネが、裏金の状態でばら撒かれているのである。

 問題は、総裁となった安倍晋三氏への政策活動費。就任後の11月から12月にかけて、2億5,000万円という巨額な資金が支給されていた。谷垣前総裁へは、3年間で1,500万円。首相と野党党首という立場の違いがあるとはいえ、安倍氏への支給額は突出している。国民に増税を押し付けた首相が、使途報告のいらない巨額の政治資金を動かすという現実。これでは政治資金の透明化など、夢のまた夢だ。



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