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辺野古移設がもたらす「奄美」の環境破壊

2014年10月 2日 08:55

辺野古 沖縄の民意を無視して安倍政権が強行する米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設。ジュゴンの生息域である辺野古沖を埋め立て、V字型の滑走路を建設するというものだが、工事に要する土砂の調達方法については意外と知られていない。
 埋立土砂はどこから運ぶのか ―― 取材を開始したところ、九州、瀬戸内地域から「岩ズリ」と呼ばれる大量の石材を採取・搬出する予定であることがわかった。
 まず注目したのは、豊かな自然に恵まれた「奄美大島」での岩ズリ採取である。辺野古の海を犠牲にする飛行場建設工事が、奄美の自然をも破壊するという愚行につながろうとしている。
(写真は辺野古海岸。フェンスの向こう側、米軍キャンプ・シュワブの沿岸部が埋め立て予定海面)

辺野古埋立に大量の「岩ズリ」
 下は、辺野古の埋立事業について、沖縄防衛局が今年4月に公表した『環境影響評価書及び埋立承認願書の概要』からの抜粋。埋立に用いられるのが「海砂」、「岩ズリ」、「山土」であることがわかる。工事計画によれば、埋立に必要な土砂は約2,100万㎥。そのうち岩ズリの使用量は約1,644万㎥と記されている。海砂と山土はキャンプ・シュワブを含む沖縄周辺からの調達だが、「岩ズリ」採取場所に指定されているのは沖縄のほか九州と瀬戸内だ。

埋め立て申請.png

奄美の自然まで犠牲に?
 昨年沖縄防衛局が県に提出した『普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認申請書』には、岩ズリ採取場所の詳細が記されている。それによると沖縄・九州・瀬戸内で7地区。下はそのうちの一つ、「奄美大島」の風景だ。

奄美大島南端・油井岳から望む大島海峡
奄美大島南端・油井岳から望む大島海峡

 驚いたことに、天然記念物の宝庫で「東洋のガラパゴス」とも言われる奄美大島には、岩ズリ採取予定の採石場が3カ所もある。採石のために山肌を削りとることは、即ち自然破壊。さらに、岩ズリ搬出にともなう大型車両の通行量増大が、環境に悪影響を及ぼすのは必定だ。これは、普天間飛行場の移設が、辺野古だけでなく奄美の自然環境をも破壊することを意味している。そして、九州、瀬戸内でも同じことが……。

 米軍基地建設のため破壊される日本の自然、そして岩ズリ特需に揺れる地元 ―― 特別取材班が確かめた現状を、明日から2回にわたって報じていく。



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