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福岡市長「釜山の夜」(上)― 背景と報道までの経緯 ―

2014年8月25日 07:25

高島宗一郎市長 福岡市の高島宗一郎市長が、韓国・釜山で、一般人女性と一夜を共にしていた疑いが強まった。(22日既報「福岡市長 釜山出張で女性と一夜」)
 プライベートな問題とはいえ、公務のため出張し、宿泊した高級ホテルでの出来事。公人としての自覚を欠いた行動であることは言うまでもない。
 報道に至った経緯と、取材を通じて確認した事実関係について、2回に分けて報じる。
(右が高島市長。平成22年の市長選時に作成されたリーフレットより)

公務後ドロンが常態化
 高島市長の出張をめぐっては、市関係者の間から様々な情報、批判が寄せられていた。HUNTERが重く見たのは、取材に応じたほとんどの職員、職員OBが口を揃えて証言した「公務が一段落すると、すぐにいなくなる」という点。ある職員は次のように話していた。

―とにかく、夕方から夜になるとすぐドロン。出張のたび、夜は所在不明となる。もちろん、どこに行くかさえ市長は言わない。歴代の市長にはなかった行動パターンが、就任以来続いてきた。“これで危機管理ができるのか?”――そう感じている職員は少なくないはず。とくに、(福岡市の)東京事務所や秘書課は、市長の身勝手に振り回されてきた。私はそう聞いているし、現実に同じ目にあっている。

 市長がプライベートの時間に移行した後、所在不明になることは、7月に確認を求めた際、市長の日程を管理する市秘書課も認めている。

 記者 高島市長が議会開催中にフィットネスクラブで過ごしていたことが分かった時、秘書課は『プライベートの時間に、市長がどちらにいらっしゃるかは把握しておりません』と答えたが、現在もその状況に変わりはないか?
 秘書課 変わってはおりませんね。

 記者 もう一度尋ねるが、市長のプライベートの時間、市としては市長がどこにいるか把握していないということでいいか?
 秘書課 そうです。まったく把握しておりません。

 公務のあとのドロンが常態化していたのは事実のようだが、市長は、なぜ徹底した秘密主義を貫くのか?別の職員OBはこう語る。

 ―― 記者クラブに所属している新聞やテレビは報じていませんが、平成22年の市長選直後、市長は離婚しています。つまり独身ですから、遊びたくて仕方がなかったんでしょう。ただ、地元ではなかなか遊べない。市民の目がありますからね。遊ぶとしたら、東京や海外での出張を利用するしかなかったんですね。当然、どこに行くのかなんて話せないし、私的な時間に、市の職員を入れることもない。そうした状況であることは、早くから市役所内部に広がっていました。よくない噂があることも事実でしょう。多くの職員が、“出張を利用して、遊興を繰り返している”と見ています。『東京で夜遊び中の市長を見た』という話を、知り合いから聞いたこともあります。正直、こんな市長の下で働いていると思うと情けないですし、市民が実情を知ったら怒るだろうと思いますよ。

 同じような声は、高島氏の市長就任直後から上がっていた。出張を利用した市長の夜遊びが事実なら、市民への背信行為である。HUNTERは、節目ごとに福岡市への情報公開請求を行い、入手した出張命令書及び公用車の運行日程表などを精査しながら、長期取材を続けてきた。その結果、浮かび上がってきたのが東京での市長の行動や海外出張の裏にある、公人としてあるまじき振る舞い。裏付け取材は続いた。

浮上した「釜山の夜」の出来事
高島市長 in 釜山 そうした中、高島市長が韓国内のホテルで女性と一夜を共にし、見咎めた邦人客グループから声を掛けられていたという情報をキャッチ。今年1月から、その邦人客を探す作業に取り掛かった。ただし、その韓国行きが公務出張だったのか、私的な旅行だったのかが分からない。とりあえず調べてみたところ、市長就任以来の韓国出張は次の7回だった(カッコ内は、出張時の宿泊地)。

【平成23年】
2月 第3回福岡市ソウルプロモーション開催 (ソウル)
5月 釜山広域市長懇談、釜山プロモーション (釜山)
9月 クルーズ振興PRのため (済州島)
10月 釜山国際映画祭開幕式参加 (釜山)

【平成24年】
7月 第10回アジア太平洋都市サミット参加 (浦項)

【平成25年】
2月 福岡-釜山フォーラム参加 (釜山)
10月 FACo in BUSAN参加 (釜山)

 取材は遅々として進まなかったが、7月、ようやく情報に該当すると思われるグループにたどり着く。その後、当人たちに何度も接触し、直接話を聞いて、彼らが市長と出会ったのが昨年の2月2日で、釜山にある高級ホテルのロビーだったことが判明する。可能な限り、パスポートの出入国記録や手帳の記載も確認している。これによって、市長の釜山行きが、平成25年2月1日から2日までの日程で組まれた「福岡―釜山フォーラム 第7回釜山会議」への参加を目的とした公務出張だったことが明らかとなった。

 邦人客グループは2日の朝、エレベーターから降りてくる市長と女性に遭遇。ロビー脇で市長の顔を見知っていたメンバーのひとりが、市長に声をかけていた。同伴していた女性はうつむいて通り過ぎたが、市長は一瞬立ち止まりかけて、握手を求めたをメンバーを無視。そのまま、女性の後を追ったという。2人が入ったのは、1階ロビーの奥にあるレストランのVIP専用室。市長のすげない態度に立腹した男性が、行動の一部始終を確認していた。事前につかんだ情報通りの話である。さらに、別の取材源から、1日夜の市長の動きも明らかに――。この段階で、目撃者は複数。市長が言い逃れする余地はないと判断した。

 問題は、目撃された女性が誰だったのかという点。出張中の市長の周辺に、夜を明かした上で朝食を共にするような女性が同行していたかどうかの検証が必要だ。このため、福岡市への情報公開請求で入手していた釜山出張に関する文書を、再度精査することになった。

以下、次稿



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