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沖縄防衛局 辺野古移設で隠ぺい姿勢
出し渋る漁業補償契約の情報

2014年8月 6日 08:15

 今年1月、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設の是非が問われた名護市長選で、移設反対を訴えた現職が勝利。地元の民意が明確に示された。しかし、安倍政権はこれを無視して移設を進める構えで、5月には沖縄防衛局が、地元漁協との間に巨額の漁業補償契約を結んでいる。沖縄の心を買収した形だが、補償契約がどのように進んだのかを確認するため行った情報公開請求で、所管の沖縄防衛局が開示決定期限を大幅に延長、法律の規定による一部開示では重要書類の「表紙」だけを開示するなど、隠ぺい姿勢を露わにした。
(写真は移設予定地である辺野古の海岸。フェンスの向こう側が米軍のキャンプ・シュワブ)

開示決定期限 原則30日を4か月に延長
 沖縄防衛局が漁業補償契約を結んだ相手は名護漁業協同組合。組合員90人足らずの同漁協に支払われる金額は、約36億円に上るという。HUNTERは6月、沖縄防衛局に対し、「名護漁協との間に結んだ漁業補償契約に関するすべての文書」を情報公開請求したが、同局側は素直に情報開示に応じるつもりがないようだ。

 下は、開示決定期限について、延長することを決めた同局からの通知である。6月16日付けの請求に対し、原則30日の開示決定期限を8月22日まで約1か月延長。特例規定を利用して開示文書を一部に限った上、大半の文書の開示決定を10月22日まで延ばしている。請求から4カ月経たなければ、何が開示されるのかも分からないという状況だ。

開示決定等の期限の特例規定の適用について(通知)

一部開示は「表紙」だけ
 この通知が届いた数日後、防衛局側は、他の開示請求との兼ね合いを考え、一部開示の時期を繰り上げると連絡してきた。所定の手続きの結果、送られてきたのは90枚の文書(CD‐R複写)。内容はといえば、補償契約書の「表紙」と、補償額算定にあたって業者に委託して受け取ったとみられる調査報告書の「表紙」がそれぞれ1枚。あとは、補償契約に関連した沖縄県公報など既に公表された文書の一部だった(下の写真が開示された文書)。「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」に基づき、形だけは整えるが、実質的な情報公開は行わないということだ。

表紙

 請求文書の開示決定を遅らせる理由として、防衛局側は関係機関との開示内容の調整、業務多忙を挙げている。しかし、補償契約書の「表紙」だけを開示するというふざけたやり方を見る限り、積極的に国民の疑問に答えようとする姿勢は皆無。辺野古移設の裏で、何が行われてきたのかを隠そうとする意図が透けて見える。

知事選前に隠ぺいの可能性
 11月には、辺野古移設に重大な影響を及ぼす沖縄県知事選挙が行われる。現職の仲井真弘多知事に、翁長雄志那覇市長が挑む構図となりそうだが、現状では辺野古の埋め立てを承認した仲井真氏の再選は困難な情勢。政府与党は、難しい局面に立たされた格好だ。これ以上、マイナス要因を増やしたくない国としては、胡散臭い補償契約の中味を知られたくないというのが本音だろう。

 昨年12月に成立した特定秘密保護法が施行されれば、真っ先に「特定秘密」に指定されそうな、漁業補償絡みの文書。最終的には「黒塗り」=非開示ばかりとなることが予想される。関連情報を隠したまま、移設を強行することなど許されないと思うが……。



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