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福岡市人工島 都市高速延伸の遅れ確実に
最短6年 懸念される「こども病院」への影響

2014年6月12日 07:00

 福岡市(高島宗一郎市長)が市内東区の人工島(アイランドシティ)で建設を進める「こども病院」。懸念されてきたのは「交通アクセス」の問題だったが、解決の切り札とされてきた福岡都市高速の延伸工事完成まで、最短でも6年、遅ければ7~8年かかる可能性もあることが明らかとなった。
 都市計画決定までは順調に運んだものの、ここに来て作業が停滞。工事着工の時期も決まっていない。関係者からは高島市長の努力不足を指摘する声もあり、人工島へのこども病院移転を決めた市長の責任が問われる事態だ。
(左はアイランドシティ完成イメージ。福岡市のHPより)

子どもの命に直結する延伸計画
 人工島は市内のはずれ。鉄軌道も通っていない。通院が困難となることはもちろんだが、救急搬送に関して重大な欠点を抱えている。例えば低体重出生の場合、「30分が人生を決める」とまで言われているが、市内のスタート地点によっては人工島まで40〜50分。間に合わない場合も想定される。加えて、夏場は人工島がリゾート地域である海の中道海浜公園への通り道となるため、車両が増加。現在の高速降り口「香椎浜インター」から人工島にかけて、渋滞が起きる可能性もある。交通事情の改善が進んだとはいえ、やはり頼みの綱は人工島への高速道路の延伸なのである。

 こども病院の開院予定は今年の秋。これに対し、当初市が公表していた都市高速延伸に向けてのスケジュールは次のようなものだった。

(仮称)アイランドシティ線計画スケジュール

 平成25年度の「都市計画決定」までしか記されていない。たしかに、ここまでは順調に進んだかに見える。しかし、本当に大変なのはここから。事業者である福岡市と福岡北九州高速道路公社は、事業計画を策定し国土交通省に許可申請を行うことになるのだが、「有料道路」とするためには、延伸した路線が事業として成り立つかどうかの「試算」が必要。だが、この試算さえ行われていない状況で、250億円といわれる事業費の分担割合や工事開始がいつになるのかまるで分からない状況だ。「事業はストップ状態」――そう明言する県関係者もいる。

問題は市長の姿勢
 聞こえてくるのは市と県との間の不協和音。事業費をめぐっての鞘当てなどで作業が遅れていることについて、県や国の関係者は市側の努力不足を理由にあげる。「市側」というのは高島市長のこと。都市高速の延伸には興味がないのか、積極的に県や国に働きかけることもなく、すべて職員任せなのだという。市長は、人工島移転を決め、難問を解決したとでも思っているのだろう。“子どもの命を守る”という信念は、やはりなかったということだ。

 市の所管課に確認したところ、「現在、自専道(自動車専用道路)の指定に向けて手続き中。延伸工事の終了が、いつになるのかという問いに、答えられる状況ではない。工事だけでも最低5年。そこにたどり着くまでにどれくらいの時間がかかるのかも分からない」と話している。職員は必死に職務をこなしており、問題はトップのやる気。やっぱりこの市長を選んだのは間違いだった。



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