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舛添東京都知事の政治団体 知事夫人代表の会社に家賃支払い
原資は税金 ― 問われる政治倫理

2014年4月25日 09:45

 今年2月の東京都知事選挙で初当選を果たした舛添要一氏の関連政治団体が、知事の妻が代表を務める会社に事務所の家賃を払い続けていることが分かった。
 舛添知事の関連政治団体と会社は、ともに知事の自宅内。知事が参院議員として新党改革に籍を置いていた時期から、月額44万2,500円を払い続けている。
 自宅は昨年2月、「売買」によって会社から知事本人に所有権が移っているが、家賃は現在も会社側に支払われている。
 知事が国会議員として活動していた平成25年までの支出原資の大半は「政党交付金」とみられ、税金が知事側の会社に利益をもたらした形。猪瀬直樹前知事が政治とカネの問題で辞任しているだけに、不透明な事務所費支出に注目が集まりそうだ。
(写真が知事の自宅。政治団体と妻の会社が同居している)

月額44万2,500円が知事夫人が代表の会社に
 現在、舛添知事の関連政治団体は一つ。資金管理団体である「グローバルネットワーク研究会」だけとなっているが、知事が新党改革を離党した今年1月までは「新党改革比例区第四支部」が、平成23年6月までは別に「舛添要一後援会」も存在した。

 知事側が総務省に提出した政治資金収支報告書によれば、平成24年、「グローバルネットワーク研究会」が月額161,000円を、「新党改革比例区第四支部」が281,500円を「株式会社舛添政治経済研究所」に支払っていた。(下、左が「グローバルネットワーク研究会」、右が「新党改革比例区第四支部」の収支報告書)

左:「グローバルネットワーク研究会」、右:「新党改革比例区第四支部」の収支報告書

 両団体から家賃の支払いを受けていた「株式会社舛添政治経済研究所」は、平成元年設立。登記簿の目的欄には、政治、経済に関する講演会の企画・主催からコンサル業務、テレビ・ラジオ番組制作、不動産売買・賃貸及び管理、洋服等のデザイン・販売、作詞・作曲のプランニングといった多種多様な業務の記載がある。役員は知事と知事の妻である雅美氏だけで、代表取締役は雅美氏となっている。(下参照)

会社登記.jpg

 両団体の収入について確認したところ、この年「新党改革比例区第四支部」には、同党本部から政党交付金3,000万円が入金されているほか、企業や個人から寄付金が約150万円あり、合計3,151万7,483円となっている。一方、「グローバルネットワーク研究会」のこの年の収入は1,389万5,717円。そのうち850万円が「新党改革比例区第四支部」からの寄付金となっていた。

 政党支部、資金管理団体、ともに収入の柱は「政党交付金」であることが歴然としており、家賃支出が税金で賄われたと言ってもおかしくない格好だ。しかも、家賃を受け取っているのは事実上「知事の会社」。知事ファミリーが税金を食い物にしている構図ともとれる。

解散した後援会家賃分を2団体で穴埋め
 不自然なのは、舛添政治経済研究所に支払われる家賃が、「44万2,500円」と決まっていることだ。下はグローバルネットワーク研究会と新党改革比例区第四支部の平成23年の収支報告書(赤字の書き込みはHUNTER編集部)。ともに7月から家賃支出が増えているのが分かる。グローバルは59,500円、第四支部では71,500円もの家賃アップ。合計で131,000円も増えている。

収支報告書1 収支報告書2

 じつは、この年6月まで、131,000円の増加分家賃を負担していたのは「舛添要一後援会」という団体だ。後援会は6月末で解散しており、この分の支出額をグローバルと第四支部で分担して受け持っている形。会社側の収入が減らないよう、家賃総額を据え置いたということだ。平成23年の各団体の収入についても確認してみたが、政党交付金が収入柱となっている状況はこの年も同じだ。

・新党改革比例区第四支部→収入額4,230万6,349円。うち政党交付金4,100万円。
・グローバルネットワーク研究会→収入額2,964万5,953円。うち第四支部からの寄付2,150万円。

土地、建物は知事名義 それでも家賃は会社に
 ところで、知事の関連政治団体と会社は、前述のとおり、知事の自宅建物に同居している。その自宅の土地、建物は、昨年2月、売買によって株式会社舛添政治経済研究所から知事本人に所有権が移転していた。下は土地、建物の登記簿である。

登記1 登記2

 家賃の支払先はどうなっているのか――舛添知事の個人事務所に確認したところ、知事の秘書は、土地・建物が知事名義になっていることを知らなかったという。現在、存続している政治団体は「グローバルネットワーク研究会」だけで、家賃はこれまで通り、契約に基づき舛添政治経済研究所に支払っていると明言した。知事本人と会社間での契約状況は不明だが、個人所有の物件に本社を置き商売する会社が、政治団体から家賃を受け取り利益を上げているのは事実。カネの流れに不透明感が漂う状況だ。

 自宅に事務所を構える政治家は少なくないが、自身の政治団体から家賃を取り上げるケースは異例。支払い原資に税金が含まれている以上、不適切との批判は免れまい。それにしても、東京の知事はカネにきたない。



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