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みんなの党分裂 離党の江田氏は新党結成へ

2013年12月 9日 07:20

20130730_h01-01t.jpg 国民を裏切った報いというしかない。特定秘密保護法案の成立過程で、真っ先に権力にすり寄り、与党側に「修正合意」という免罪符を与えたみんな党が、ついに分裂する。
 法案採決において、衆院では賛成、参院では退席。定まらぬ姿勢は、国民世論のあまりの反発にあわてた結果。首相との密室会談後、連立をにおわす発言まで行っていた渡辺喜美代表に対し、政界再編をめぐる路線の違いから対立を深めていた江田憲司前同党幹事長らが、「離党」の形で三下り半を突きつけることになった。離党予備軍は10名ほど。今後の展開次第では、さらに増えそうな勢いだ。

迷走
 国会が閉じ、衆参の議員らが選挙区に帰った6日夜から7日にかけて、みんなの党の役員たちが、自身の選挙区とは違う地域に飛んだ。離党が予定される所属議員へ、思いとどまるよう説得工作を行うためだ。このため、役員らの週末の予定が狂い、スケジュール調整に追われる議員事務所も。しかし、いったん離党の決意を固めた議員たちに、渡辺執行部の甘言は通じそうにない。

 思えば、参院選の前後からこの党の崩壊現象は始まっていた。候補者選定や政治資金処理をめぐる不透明さは、いずれも渡辺氏の党運営に起因するものだ。永田町では、党の内幕を暴露する文書が飛び交い、渡辺氏が政党助成金や立法事務費などを私的に流用している現状や、特定候補者を優遇する手法が表面化した。大阪の参院選候補の応援を渋る地方議員の口座に150万円を振り込み、突き返された様子まで描かれていたのだから、呆れてものが言えない。

 こうしたゴタゴタが続く中、分裂劇が激しさを増す。参院選直後の8月7日には、結党以来の同志だった江田憲司幹事長を更迭。次いで23日には柿沢未途衆院議員を追放処分にした。臨時国会が始まった10月15日には、小野次郎参院議員が参院国対委員長代理の職を解かれている。いずれも渡辺氏の判断。「逆らう者は切る」というコワモテの正体を露わにし、党内の批判勢力を押さえにかかっていた。
 この間、参院福岡選挙区で落選した公認候補が公選法違反(買収約束)で逮捕・起訴され、11月になって有罪判決を受けている。こうした状況の中、特定秘密保護法案が重要課題として浮上した。

 秘密保護法案の扱いをめぐっては、11月14日に渡辺―安倍が密室会談。その後のみんなの党の背信行為は、周知の通りだ。裏でポストがらみの取り引きがあったことは容易に想像がつく。同党への風当たりが強まったため、参院の採決では「退席」という姑息な手段でお茶を濁そうとしたが、真山勇一、寺田典城、川田龍平の3人が造反。議場で「反対票」を投じて矜持を示した。衆院では江田氏に加え、井出庸生、林宙紀の両議員が法案に反対しており、衆参の6名が渡辺氏に反旗を翻した格好となっていた。

虚しい「結党宣言」
 平成21年に渡辺氏らがみんなの党を立ち上げた際の「結党宣言」には、次のように謳われている(一部を抜粋)。
《我々は、まずは、非自民勢力を結集し、総選挙で少なくとも「政権交代」を実現したいと考えている。長年続いてきた自民党と霞が関・官僚との「腐れ縁」を断ち切るだけでも、秘匿された情報や隠された財源等が明るみになり、この国の政治・行政は一変すると信じるからだ

《我々「みんなの党」は、今の「政党政治」は「ニセモノの政党政治」だと考えている。同じ政党内でありながら考え方が違い、議員同士が足を引っ張り合う中 で、最後はその間隙を縫って官僚が出てきて、足して二で割る当たり障りのない、さして効果もない政策しか打ち出せない。こうした「寄り合い所帯」化した今の政党政治では、いつまでたっても、この国に「夜明け」は来ない、「官僚の世」を終わらせることはできないと考えるからだ。
 したがって、我々「みんなの党」は、政権交代後の更なるステップとして、今の政党政治を整理整頓して、政治理念や基本政策ぐらい一致させた「真っ当な政党政治」の実現、すなわち、「政界再編」を究極の目標とするものである。》

 現実はどうか――。《非自民勢力を結集》するどころか、政権にすり寄り、連立を志向。《秘匿された情報や隠された財源等》を明るみにするなどと言いながら、特定秘密保護法案に賛同し、国民の「知る権利」を奪う結果を招来した。まさに言行不一致。渡辺みんなの党は、詐欺師集団と言っても過言ではあるまい。これに反発する江田氏らは、至極まともな政治家なのである。

江田新党に政界再編への期待
 9日には江田氏のほか、衆院で井出庸生、青柳陽一郎、畠中光成、参院からも小野次郎氏らが離党。その後、江田氏を中心に新党を結成する。渡辺氏に追放された柿沢未途衆院議員も合流する見通しで、新党参加者は最終的に10名を超えるとの見方も出ている。
 10日には江田氏と民主党の細野豪志前幹事長、日本維新の会の松野頼久・国会議員団幹事長などが政策勉強会を立ち上げる予定となっており、政界再編への動きが加速しそうだ。一強自民の暴走が続く中、江田氏らの動きが一筋の光明となることを祈りたい。



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