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「みんなの党」に冷たい木枯らし

2013年11月28日 08:15

20130730_h01-01t.jpg 26日に衆議院を通過した特定秘密保護法案の扱いをめぐり、与党にすり寄った「みんなの党」。今月14日の渡辺喜美代表と安倍首相との密室会談後、国民の知る権利を侵害する同法案を、あっさり認める方向で党内をまとめてしまった。与党との修正協議が茶番だったことは、合意された結果が、法案に対する懸念を何ら払拭できないものだったことを見ても明らかだ。
 党内は、渡辺代表が独裁色を強めるものの、衆院本会議の採決では、強行採決に反発した江田憲司前幹事長を含む3人が造反。江田氏に対しては「除名」処分を下す方向だという。分裂含みのガタガタ状態に加え、国民への背信。すでに有権者から見限られたと言っても過言ではない同党だが、渡辺氏の側近議員にも冷たい風が吹きつけている。

孤立するタリーズ松田氏にダブる党の現状
 「松田公太に元気がない」。最近、みんなの党の中からこうした声が聞こえるようになった。「党内が彼の敵だらけになっている」。そんな声さえ聞こえてくる。

 既報の通り、渡辺代表は小野次郎参院国対委員長を更迭し、後任に松田氏を任命した。警察庁キャリア官僚出身で、小泉純一郎元首相に秘書官として仕えた小野氏に対し、参院議員の任期の後半に入ったとはいえ、松田氏の政治的手腕については未知数。みな一様に不安のまなざしを向けている。

 そうした中、10月30日の夜に六本木で「もんじゃの会」が開かれ、渡辺代表の他、山口和之、杉本和巳、中島克仁、大熊利昭、松沢茂文、薬師寺道代、渡辺美知太郎、小池政就、三谷英弘の10名の同党所属議員が参加した。出された料理はもんじゃ焼きではなく、中華料理。杉本氏が発案し、「これまでいろいろ問題があったけど、まぜこぜにしてこれからは仲良くやろう」というのが会の名前の由来だという。

 だがその日程は、同じ日に開かれた「新世研」(「新しい社会保障制度を確立し、世代間格差を是正するための研究会」)の懇親会にぶつけるため、意図的に決められたものだという。新世研は、渡辺氏が追い出しを狙う江田前幹事長らが集うグループだ。

 ところが渡辺氏の第一の側近であり、こういう場合には真っ先にはせ参じるはずの松田氏が、「もんじゃの会」に姿を見せなかったのである。ひよっとして、渡辺氏か渡辺夫人の逆鱗に触れてるようなことをしでかしたのでは―そんな憶測が飛び交ったほどだ。

 ある参院議員が党内事情をこう話す。「実は藤巻幸夫氏のせいで、すっかり影が薄れているようだ」。藤巻氏は伊勢丹のカリスマバイヤー出身。「福助」の再建に成功した実業家でもある。2010年の参院選でみんなの党から比例区で出馬し、2012年12月に繰り上げ当選したという経歴だ。

 「藤巻氏はなんといっても声が大きいし、顔立ちも振る舞いも派手。どうしてもこちらの方が目立つ。この藤巻氏を、松田が勝手にライバル視している。このあいだ開かれたある会合でも、松田は『藤巻さんからお兄さん(日本維新の会の参院議員の藤巻健史氏)を経由して、維新に情報が流れているんじゃないか』と軽口をたたき、藤巻氏から嫌な顔をされていた」(前出の参院議員)。

 松田氏は、タリーズの創業者として、同じビジネス界出身者を意識しているのか。「しかし藤巻氏は松田など眼中にない。松田はタリーズを創業しただけ。(藤巻氏には)426億円もの負債を抱えて倒産した福助を再建させた自分とは、『経営者として格が違う』という意識があるのだろう。もっとも、松田を相手にしていないのは藤巻氏だけではないが」(同党議員)。

 孤立感を深めるタリーズ松田氏が、有権者から見放されたみんなの党の姿と、妙にダブって見える。同党にとって、吹き付ける木枯らしは、ことのほか冷たい。

<天城慶>



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