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秋の政局 さまよえる議員たち

2013年11月 1日 08:05

国会議事堂 政局の秋である。
 民主党、日本維新の会、みんなの党の有志議員が集まって、野党再編を狙うために立ち上げたのが「DRYの会」。その会が名称を変えて、「新しい社会保障制度を確立し、世代間格差を是正するための研究会」(新世研)となった。しかし、みんなの党所属議員が、渡辺喜美代表に睨まれて身動きできなくなったため、完全な社会保障の勉強会になってしまった。選挙前になると政党間異動が常となる永田町だが、凪状態の今、腹の据わらぬ政治家の姿ばかりが目立つ。

 一方、自民党、日本維新の会、みんなの党の有志で、10月に「綜学勉強会」なるものが発足した。同会は「日頃の政策立案や政局から離れて長期的な視野で人格識見を高める」ことを目的とし、中国思想や日本思想、歴史や人間学を学ぶという。メンバーを見るとみんなの党の井坂信彦氏など、DRYの会の結成メンバーと重なる。自民党議員も巻き込んではいるが、野党再編を目論む新世研の別働隊として結成されたと見てよいだろう。

 その綜学勉強会だが、講師は林英臣氏が務めるという。林氏は松下政経塾第一期生で、林氏に心酔している井坂氏によると、「松下幸之助氏の精神をもっとも引き継いだ人物」だ。この林氏、ユニークな人物である。

 まずは卒塾生でただひとり、大学卒ではなく専門学校卒の経歴である点だ。林氏は鍼灸師で、京都に治療院を経営している。なぜ松下政経塾に入れたかというと、こういう説がある。「実は鍼灸師は政治家や企業経営者と近い。治療を受ける時間が長く、話をすることが多いからだ。そこでいろんな情報を得ることができる。林氏もそこから、政治を目指そうとして松下政経塾に入ったのではないか」(松下政経塾関係者)。

 さらにいうと、故松下幸之助氏はよく鍼灸師を呼び、鍼を打ってもらったり灸をすえてもらったりしていたという。「そういうことで、松下氏が林氏の経歴に関心を持ち、特別に入塾を許可したのではないか。間違っても松下氏に思想面で一番近い人物ではない」(同関係者)。

 それにしても講義の内容は、ハチャメチャなものだった。第1回目が「もしも日蓮が国会議員になったら?」。これで会の目的とする政治家としての見識を高めることが可能なのだろうか。

 22日の会合には、3党から約20名の議員が参加した。民主党にも呼びかけたが、参加者はゼロ。「民主党からは、これから入ってくるかもしれない。じっくり待つ」―事務局は楽観を装うが、その保障はない。「所詮、政治家指南ごっこだ。求心力のある議員も参加していない。すぐに消滅するだろう」。クールにそう言い切る関係者もいる。今秋の政局の特徴だが、さまよえる議員があまりにも多すぎる。

<天城慶>



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