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徳洲会の公選法違反でうごめく面々

2013年11月14日 08:40

徳洲会 ついに徳洲会関係者から複数の逮捕者が出た。創業家一族と元事務総長との間でぼっ発した内紛騒動から、自民党・徳田毅氏の衆議院総選挙における公職選挙法違反へと飛び火。不正を主導したとされる父で創業者の徳田虎雄氏が徳洲会理事長を辞任したものの、それだけでは事態が収拾せず、徳田ファミリーによる“帝国”支配が崖っぷちを迎えている。

“女帝”逮捕
 11月12日、公職選挙法違反容疑で、東京地検特捜部が徳洲会の“女帝”といわれる虎雄氏の長女・越澤徳美容疑者と二女・スターン美千代容疑者の2名を、また警視庁がグループ幹部の4名をそれぞれ逮捕した。昨年11月から12月にかけて、傘下の病院など職員計563人に対し計約1億4,750万円を支給し、毅氏の選挙運動に従事させた疑いが持たれている。

身内の争い
 事の発端は昨年9月末、元事務総長だった能宗克行氏を徳田ファミリーが中心となって解雇したことだ。虎雄氏の金庫番として裏を知り尽くしていた能宗氏は、徳田ファミリーにとっては目の上のタンコブだった。そこで徳洲会は独断専行を理由に能宗氏を解雇。懲罰委員会を設置して、今年1月に聴聞通知書を送付するなど追い込みにかかるが、対する能宗氏は「能宗メモ」と呼ばれる83ページに及ぶカネの流れなどをめぐる告発の回答書をもって反撃した。身内の争いが帝国の崩壊を招いた形だ。

 対立が深化し数々の膿が表面化するなか、9月に公選法違反の疑いが浮上。その後、特捜部は徳洲会東京本部などを強制捜査し、越澤容疑者ら徳田ファミリーらに事情聴取をしていたが関与を否定していた。一方の徳洲会側も、能宗氏がグループ企業から3億円近くを着服していたとして告訴。また逮捕後は容疑者らが、能宗氏が確立した選挙システムを引き継いだとするなど応戦している。

影響どこまで?
 今回の逮捕の焦点は、第一に連座制が適用されるかどうかだ。親族が選挙運動員買収の罪で禁錮以上の刑が確定した場合、連座制により毅氏の当選が無効となる可能性がある。その前に毅氏は、自ら自民党を離党するという選択肢を選んだ。第二に、さらなる逮捕者が出るのかどうか。第三に、徳洲会からカネを受け取っていたとされる政治家への影響があるのか。こうしたことが今後注目される。とくに、能宗メモに登場する首長出身の大物政治家などの名前が、裁判の過程で明らかになる可能性が高く、事件が政界全体を揺るがす可能性もある。

うごめき
 ここまでは「肉を切らせて骨を断つ」能宗氏の作戦が、恨み骨髄に徹する徳洲会に対し強烈な一撃を加えたと言える。警視庁は10月に横領容疑で能宗氏宅などを家宅捜索したが、結局は対立する徳田ファミリーにメスを入れた。その徳田ファミリーに反旗を翻した徳洲会グループの病院長たちは、悪しき慣習を脱した組織再生を模索している。大阪地検特捜部証拠改ざん事件や陸山会事件で権威が地に墜ちた検察は、久々の大捕り物で復権を狙うだろう。そして、徳田虎雄氏の恩恵を被ったとされる人々は静観を決め込もうとする。公選法違反をきっかけに、関係者の面々による新たなうごめききが始まっている。

<嵯峨 照雄>



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