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勝負に出た細野豪志・前民主党幹事長

2013年10月30日 07:50

民主党 民主党の細野豪志前幹事長が勝負に出た。24日、国会内で勉強会として続けてきた「基本政策研究会」を開き、新たな組織を年内に立ち上げる方針を表明。あわせて定例会の開催日を木曜日にすることを決めた。これまで水曜日だったものを、わざわざずらしており、細野氏が政界の師と仰いできた前原誠司・元同党代表が率いるグループ「凌雲会」の定例会にぶつけ、掛け持ちを禁じた形。「細野派」の結成である。
 派閥といえば、資金も選挙の面倒もみることを意味し、領袖にとっては負担が大きい。それを承知で一歩踏み出した細野氏、決断の背景とは・・・・。

 「細野さんは後輩思いだから・・・」。10月28日の会見で、海江田万里代表は細野氏の派閥の立ち上げについて尋ねられ、こう答えている。ただ、その表情には、戸惑いと困惑が見てとれた。
 今年7月の参院選で民主党は惨敗、その責任をとる形で細野氏は幹事長を辞任した。うまく引責辞任を免れた海江田氏は、党再生のために若手の登用を考えていた―「民主党にも“進次郎”が必要だ」。
 候補は小川淳也氏、津村啓介氏、そして玉木雄一郎氏(いずれも衆院議員)ら。だがその中に、彼らと同じ世代の細野氏の名前はなかった。それを聞いて、細野氏はショックを受けたに違いない―「オレは終わった政治家ではない!」。

 細野氏の派閥結成宣言は、存在感を示す意味もあろう。党内では馬淵澄夫元国交相が動き出している。選挙対策委員長を拝命した馬淵氏は、さっそく次の衆院選に向けての情報発信を開始。落選議員たちにこう語っている―「10月末に第一次公認候補を発表する」。党内での馬淵氏の株は確実に上がると思われた。
 ところが これが大失敗。代表の海江田氏は28日の会見で馬淵氏の発言を否定する―「10月末には第一次公認を行わない」。

 どうしてこんな祖語が生じたのか。ある落選議員は、落胆してこう話す。「我々は今年8月までは総支部長として月額50万円の活動資金を党から受け取っていたが、いまは支給されていない。でも馬淵さんから『10月12日までに地方の意見を取り入れて検討し、月末には公認発表する』と言われて、心待ちにしていた。活動資金がないと何もできない。なんとかしてほしいが・・・・」。

 衆院選で落選した議員たちは、選挙直後に200万円を支給された。だが様々な支払いに消え、ほとんど残っていないという。落選議員の中には政治を諦め、他の仕事を見つける者もいるほどだ。そんな仲間を救済しようと、馬淵氏は公認を前倒ししようとしたのだろう。だが、今後のスケジュールについて党内での根回しさえ行っておらず、フライングした格好。政策立案能力が高く、弁舌の巧みさにも定評があるのだが、一匹狼的なイメージが払拭できていない。馬淵氏の集団を率いていく能力に疑問符をつける同僚議員がいるのも確かだ。

 そんな中での細野氏の派閥結成宣言は、財政難に喘ぐ同志を救済すると同時に、ポスト海江田に向けて、王手をかけるための布石ともとれる。「義理と人情でつくることにした」―浪花節的な細野氏のこの言葉に、何人の同志が反応するのか分からない。しかし、民主党再生の鍵は、間違いなく細野氏が握っている。

<天城慶>



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