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高島福岡市長 議会中にフィットネスクラブ
ジム、サウナで汗 ― 市内外から厳しい批判

2013年10月17日 08:30

 福岡市の高島宗一郎市長が、市議会開会中の16日、市内にあるホテル(写真)のフィットネスクラブで汗を流していたことが明らかとなった。スポーツジムで運動した後、サウナまで利用していた。
 市長が羽を伸ばしていたのは市役所の業務時間中、しかも市議会で決算委員会の分科会が開かれている最中だった。勤務時間に縛りのない特別職であろうと、決して許される行為ではない。
 市政トップの愚行に、議会や市内部はもちろん、市民からも厳しい批判の声が上がっている。

「綱紀粛正」よそに
 HUNTERの取材によれば、高島市長は16日午前、市内博多区のホテル内にあるフィットネスクラブのジムで運動をこなし、その後サウナまで利用、正午前後までホテル内にとどまっていた。複数の関係者がこれを認めている。
 同クラブにはフィットネスジムや室内プールのほか、ジャグジー、スパ、サウナ、マッサージルームなどが併設されており、滞在客かメンバーしか利用できないシステム。市長は、ここを度々訪れていたとされ、会員になっているものと見られる。

 この日は、午前10時から福岡市議会の決算特別委員会が開かれており、分科会ごとの議論が行われていた。高島市長がジムとサウナで汗を流していたのは、まさにこの分科会の開会時間中。もちろん、市役所内は業務が行なわれる時間帯である。

 福岡市は現在、職員の飲酒にからむ事件が跡を絶たないことを受けて、組織を挙げ綱紀粛正に取り組んでいる。率先して役人のあるべき姿を示すべき市政トップが、平日の午前中、しかも議会が開かれている時間帯に、ひとり高級ホテルで優雅な時間を過ごしていたことになる。“遊んでいた”と批判されてもおかしくない状況だ。

市秘書課のコメント
 市長の日程を管理している市秘書課は、HUNTERの取材に対し、次のようにコメントしている。「(市長は)土日なしに公務に出ている。日程をやり繰りしてリフレッシュすることも必要。市議会の分科会が開かれているが、直接市長自身が対応するものではない」。

議会側から厳しい批判
 同日夕、市長の非常識な行動を聞いた市議会サイドからは、厳しい批判の声が上がった。
【A市議:保守系】
 政治家としての矜持が問われる問題だ。恥を知れと言いたい。決算委員会の分科会では、議員と市側の激しいやり取りが行われている。何が起きるか分からない中、市長がフィットネスクラブで汗を流すなどもってのほかだろう。議員も土日なしで市政のため、市民のために活動しているわけで、市長だけ特別扱いが許されるとは思えない。これは市長の驕りだ。

【B市議:無所属】
 議会はもちろん、市民をも愚弄する行為だ。業務時間内、しかも議会が開催されている最中に、スポーツトレーニングやサウナで汗を流すことができる神経を疑う。何人もの市長を見てきたが、歴代(市長)は、議会と真摯に向き合ってきた。議会軽視もはなはだしい。市民が働く時間帯に、遊んでいられる市長など聞いたことがない。福岡市の恥だ。

【中山郁美市議(共産)】
 言語道断。市長としてのイロハが分かっていない。議会開会中、体調不良などできちんと休みをとるならまだしも、フィットネスジムやサウナとは呆れてものが言えない。議会だけでなく、市民に対しても申し開きできないのではないか。市長が土日なしに公務に出ているというが、それはおかしい。私たちは、市長が土日のスポーツイベントなどになかなか出てきてくれないという苦情を聞いて、(市長の)日程を詳しく調べてきた。高島市長の土日の日程は、空白が多い。その言い訳は通用しない。

市役所関係者から怨嗟の声
【市職員】
 そうですか。フィットネスクラブですか・・・。それも午前中・・・。あの人ならやりそうなことですね。職員には『まじめにやれ』と言う一方、自分は業務時間中にリフレッシュなんですね。議会も市役所もばかにしてるんでしょう。それと市民も。問題を起した職員を腐ったミカンと切り捨てたが、自分はどうなんですかね。腐ってるんじゃないですか、どう見ても。飲酒禁止を強制した市長さん、じつはこの程度なんですよ。もういい加減にしてほしい。

【市幹部OB】
 特別職だからといって、何をしてもいいというわけではない。職務に専念する義務があるのはもちろんのことだろう。職員や市議が決算をめぐって真剣に議論している時に、優雅にスポーツジムやサウナではなかろう。一番気にかかるのは、こうした市長を支えなければならない市職員の意識が低下することだ。業務時間に遊んでいる市長に、ついて行けるはずがない。市民のために働くのが使命だということは分かっていても、トップがパーなら力が入らない。指揮者不在の楽団みたいなものだ。これから不協和音ばかりになりそうだ。

落胆、悲嘆 市民の声
【60代・会社社長】
 政治家としての資質の問題だな。議会中に遊んでいるようでは、彼(高島氏)には、市長としての資格も器量もない。民間企業のオーナー経営者なら勝手気ままも許されようが、高島君は政令市の市長だよ。有権者の負託を受けて、市政全般を統括しているんだから、1年365日、緊張感を持って市長の職責を果たすべきだろう。何人もの福岡市長とお付き合いしてきたが、その方々と高島君を比べるのは失礼。この程度の男と並べて評価されたら、歴代市長が怒るだろう。

【40代・主婦】
 一票返せと言いたい。市民をバカにしてますよ。勤務時間中にサウナなんて信じられない。しかもホテルの中の会員制の施設?庶民の代表みたいな顔してたけど、じつは権力亡者だったということでしょう。騙された。情けない。即刻(市長を)止めるべきでしょ。

通らぬ言い訳―市長失格
 市秘書課は、市長が土日なしに公務に出ているからリフレッシュが必要だという。しかし、中山市議が話しているように、高島市長の土曜・日曜の日程は、空白になっているケースが多い。仮に、それが事実だとしても、リフレッシュのための時間は、夕方以降なら十分に取れるはず。わざわざ業務時間帯を選ぶ必要などあるまい。

 市長や副市長などの特別職は、勤務時間の縛りがない。しかし、高島氏は市で一番の高給取りなのである。24時間、緊張感を持って市政運営にあたるのが当然なのだ。それが嫌なら市長を辞めるしかない。職員や市議、そして市民が懸命に働いている時間に、ホテルでのんびりリフレッシュなど許されるはずもない。

 歴代市長は、議会の開会期間中、自身が出席する会議以外の時間を、市長室で過ごすことがほとんどだったという。それだけ市民の代表である議会を重要視していたということだ。二元代表制を理解していた証左でもある。
 翻って高島氏はどうか。就任以来、市長が議会を軽んじてきたことは確かで、頭越しに次々と施策を打ち出しては、その都度、議会側から抗議されてきた。3年間、同じことの繰り返しだ。昨日報じたように、市民を欺く所業も明らかになっている(⇒福岡市長・高島宗一郎 「二枚舌市政」の証明 )。市長失格であることは疑う余地がない。

 議会開会中の業務時間内に高級ホテル、フィットネスクラブ、サウナ・・・。この市長につける薬はない。



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