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沈みゆく民主党

2013年9月 9日 07:55

民主党 民主党の中で異変が起こっている。
 沈みゆく船から逃げようとするネズミよろしく、落選議員の離党が相次いでいるのだ。8月1日に岐阜1区の柴橋正直氏が自身の後援会に離党の意思を伝えたのを皮切りに、宮崎1区の川村秀三郎氏が、9月6日には参院大阪選挙区で落選した梅村聡氏などが相次いで離党の意思を表明している。
 梅村氏は民間のシンクタンクに就職、柴橋氏は地元の市長選に、川村氏は知事選に出馬する予定だという。何が彼らを離党にかきたてるのか――。

カネの切れ目が・・・ 
 8月22日午後、民主党本部で「全国幹事長・選挙責任者会議」が開かれた。
 参院選の総括が行われた同会議は、「ガス抜き」の場になるはずだった。同党執行部が描いた作戦は、リーダーシップを欠く海江田万里代表に対する批判を吐き出させ、形だけでも結束を印象付ける、というもの。狙いはあたって一応の総括を終えたが、同時に新たな火種を抱え込むことになった。

 「2009年の衆院選で自民党が負けて下野した時、自民党は莫大な借金を抱えつつも、落選した議員を支え続けた。しかし民主党はそれをしようとしない」―怒りに震えるのは、昨年12月の衆院選で落選した前議員だ。
 民主党の落選議員は8月末で総支部長の地位を解かれ、月額50万円の「活動費」が停止された。新たに総支部長に任命されるとしても、年内に何がしかの支払いが行われる予定はないという。「これではどうやって活動していいかわからない。首長選に出て別の道を探すか、民間に転出するか。どちらにしても、党を見限るしか生きていく術はない」(同前議員)。カネの切れ目が縁の切れ目ということか。

発言力増す地方議員
 一方で、党本部には与党時代に貯め込んだ推計150億円ものカネが眠っている。じつは前述した8月22日の会議で、このカネを巡って大きく紛糾した場面があった。
 出席者のひとりはこう話す。「会議の出席者の多くは地方議員。彼らが総支部長だった国会議員に代わり、『分け前をよこせ』と言い始めた。それに対し、組織委員長の古本伸一郎氏は『考えてもいい』と言ってしまった。バカな話だ。組織の秩序が保てなくなる」。不用意な一言が、新たな火種を抱える結果を招いてしまったというのだ。。

 これまで民主党は、選挙区ごとに設置された「総支部」が大きな権限を持って組織運営を行ってきた。選挙区内のカネを握っていたのも総支部だ。仮に総支部長不在のまま地方議員たちに直接カネを出してしまえば、それが既成事実化されてしまい、総支部長の権威失墜につながりかねない。
 衆院選落選後、浪人となった前代議士たちが地方議員の頭を抑えつけてこられたのは、総支部長を軸に党務を動かすシステムがあったればこそ。それが、支部長不在でもカネが動くとなれば、主導権は地方議員に移りかねない。幼稚な政治家ばかりだった同党においては、十分考えられることだ。結果、党内における国と地方のバランスが崩れ、国会議員候補も育たなくなってしまう。

 地方議員が力を増すことによる党組織の弱体化を懸念する声もある。「問題は深刻だ。国会議員不在のままで地方議員が地方選挙を仕切るということになると、自分の選挙区にライバルを立てたくない地方議員は、県連内部で調整を図り、擁立する候補者を減らそうと画策する。党勢が縮小することは確実だ」(同党議員)。
 公明党や自民党と比べ、地方組織が盤石とは決していえない民主党。国会議員不在をいいことに、地方議員が好き放題ということになれば、先が見えてしまう。こうした状況に嫌気が差し、離党を考える議員は少なくないという。
 沈み行く民主党。党本部の金庫が空っぽになった時、おそらくこの政党は姿を消すことになる。再生を期待していたのだが・・・・・。



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