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みんなの党・渡辺喜美代表に「金銭スキャンダル」!?
騒動の最中に古参秘書追放

2013年8月20日 09:50

渡辺喜美代表の暴走を指摘する「怪文書」 江田憲司幹事長の更迭で崩壊現象が顕在化したみんなの党。永田町では渡辺喜美代表の暴走を指摘する「怪文書」が複数出回っている。
 不透明な候補者選定、政党交付金や立法事務費の私物化―いずれも渡辺氏の党運営を厳しく批判する内容だ。
 みんなの党関係者を取材したところ、「事実関係は間違っていない」、「これは金銭スキャンダルだ」、「みんなの党はただの私党」といった話ばかり。渡辺氏の政治資金について改めて調べてみたが、HUNTERが入手した文書の記述を裏付ける内容となっている。

先代・美智雄氏以来の古参秘書を追放
 喜美氏は、故・渡辺美智雄自民党副総理の長男で、いわゆる「七光り組」。地盤とともに、優秀な秘書団も引き継いでいた。しかし、みんなの党結党後、残っていたふたりの古参秘書(ここではT、H)が、相次いで追放される事態となっている。 
 いずれも永田町で知られた存在だったが、T秘書は喜美氏(というよりまゆみ夫人)子飼いの松田公太参院議員の事務所に追いやられたあげく、半年足らずでお払い箱に。
 先代美智雄氏に影のように寄り添っていたH秘書は、最近になって事実上のクビになっている。

 一体何が起きているのか―ある永田町関係者が内幕を明かす。「喜美さんは亡くなった美智雄先生の足もとにも及ばない、程度の低い政治家。それがみんなの党の躍進で勘違いしてしまった。自分の主張はすべて正しいと思ってる。党が崩壊した最大の原因は、まゆみ夫人。渡辺事務所はもちろん、党内の細かいことにまで口を出す。彼女にしてみれば、美智雄先生の時代を熟知するTやHが目障りで仕様がなかった。かれらは政治の何たるかを知っているから、夫人のでしゃばりを許さない。だから追放。だいたい、女房が政治の表向きに口を出すようになると、その事務所は終わりになるケースが多い。バッジもつけていない党首夫人が、候補者選定や党のカネのことまで采配を振るう現状では、“みんなの党”とは言えないだろう。これでは“夫人の党”(笑い)」。

永田町で出回る「怪文書」
「渡辺喜美 立法事務費 公金の私物化」 右は、HUNTERが入手した「渡辺喜美 立法事務費 公金の私物化」と題された文書である。渡辺氏が政党助成金や立法事務費などを私的に流用している現状や、特定候補者を優遇する手法が暴露されており、大阪の参院選候補の応援を渋る地方議員の口座に150万円を振り込み、突き返された様子まで描かれている。

 なかでも党関係者を驚かせたのは、4月28日から5月4日までの期間に、渡辺氏ら6名が参加したドイツ・ベルギー視察についての記述。「党初の公式外遊」と銘打ったものだが、これにかかった費用が2,000万円だという。「ひとり当たり300万円強にもなる。どれだけ豪遊だったんだ?」(みんなの党所属議員)といった声が上がるのも無理はない。

いまだに「親掛かり」―政治資金収支の現状
 もともと渡辺氏の政治資金収支には、疑問点が多い。下は、渡辺氏の関連政治団体における収支(平成23年分)についてまとめたものだが、直接的に関係しているのは、経済人が代表を務める「喜世会」以外の5団体。資金管理団体「温故知新の会」が、議員会館の渡辺氏の事務所にあるほか、「渡辺喜美後援会総連合会」、「みんなの党栃木県支部」、「渡辺美智雄政治経済研究会」が地元栃木の那須塩原市に、「渡辺美智雄政治経済研究所」が県都・宇都宮市に置かれている。

渡辺氏の関連政治団体における収支(平成23年分)

 いまだに美智雄氏の名前には威光があるらしく、「渡辺美智雄政治経済研究所」、「渡辺美智雄政治経済研究会」と、ふたつの親掛かり団体を存続させ続けている。
 紛らわしいが、両団体は所在地も違えば、届出先も総務省と栃木県選管に分かれており、まったくの別団体だ。ただ、公党の代表となったいまも、亡父の名前にすがるという点、喜美氏の政治家としての限界がうかがえる。「温故知新の会」にしても、亡父が率いた政策集団「温知会」を模倣したものだ。

突出する「みんなの党栃木県支部」の収支と隠れ政治団体 
 5団体合わせての収入総額は約1億5,000万円。前年からの繰越し分を差し引くと、この年だけで1億1,000万円を集めたことになる。その大半は「みんなの党栃木県支部」の政治資金だ。 
 1億円あまりの支出のうち、経常経費である人件費が約3,700万円、事務所費は1,300万円程度。ここでも「みんなの党栃木県支部」による支出が突出しており、県支部を使った政治活動の現状が浮き彫りとなる。怪文書の指摘通り、渡辺氏の選挙区である栃木3区には衆院の支部がなく、「栃木県支部」が選挙区支部と県連の機能を果たしている。

 経済人が代表を務める「喜世会」は、企業内に置かれた政治団体だ。毎年数回開かれる政治資金パーティーが主たる収入源だが、支出のほとんどが渡辺氏がらみの政党支部や政治団体への寄附となっている。喜美氏の隠れた資金源であることは間違いない。

「ほぼ正確」(所属議員)―怪文書の内容
 永田町で出回った文書の記載は、所々で小さな間違いがあるものの、大きな数字や事実関係についての記述は正確だ。。
 例えば、同党の政治資金収支報告書を確認してみると、みんなの党本部から「栃木県支部」に対する4,000万円(平成22年=4,000万円、平成23年=4,029万7,600円)の支出は事実で、他の同党支部への支出とは桁が違う。

 立法事務費が、自民党や民主党の収支報告書で「委託費」として収入に計上されているのに対し、みんなの党では個人献金と政党助成金、企業献金しか記載されていない。たしかに同党議員の立法事務費は収入として記載されていないのだ。
 党内からは「怪文書の内容はほぼ正確。渡辺代表は正式に説明すべきだ」(党所属議員)といった声が上がっている。

 個別の選挙区ごとの話については次のような状況だ。「狂った現状について、肯定しないが、否定もできない。察してくださいよ。ただ、渡辺代表や奥さん(まゆみ夫人)の私党ではない、ということだけはコメントに入れといて下さい」(みんなの党関係者)。
 海外視察についても「ドイツ・ベルギー視察はまさに大名旅行。税金のムダ遣いを止めさせると言ってきた政党のやることではない」(みんなの党議員)。

 私物化が指摘されるカネが税金を原資とする政治資金である以上、渡辺氏には国民に対する説明責任があるはずだ。



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