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僭越ながら:論

「新聞は面白いか?」についての読者の声 

2013年8月30日 10:56

 2日にわたって、「新聞は面白いか?」というタイトルで、現場の記者達の思いを伝えてきた。作日も書いたが、反響は大きかった。
 第一線でもがく記者たちに、“期待したい”とする意見がある一方で、“少数の記者の力では現状は変わらない”と、突き放した見方も存在する。
 とくに、原発をはじめ社会問題化した事案を抱えた地域の読者は、新聞報道に対して厳しい視線を注いでいる。番外編となるが、新聞記者たちに、そうした人々の声を届けておきたい。

【鹿児島市在住 県職員男性】
 はっきり言って、おもしろくありません。
 まず、買って読もうとは思いません。私はかつてはスクラップをするほどの新聞好きでしたが、1、2年ほど前に新聞の定期購読をやめました。どの新聞を読んでも、大概同じような記事で、コメントも視点もまるで素人のようなものしか目にしなくなりましたから。

 厳しい言い方かもしれませんが、記者の勉強不足か、安易な当局発表報道の垂れ流しに慣れてしまったからか、歯切れの悪い、中途半端な記事だけが目立つようになりました。
 何か事件が起きて、脚光を集めると、パッとその時は反射的に飛びつくのですが、周りのメディアと歩調を合わせるかのように、しばらくすると、一斉に引く、そんなことがしばしば見られます。県民の側に立ったように、アリバイをひとまず作りながら、最終的には、県の方針・シナリオのとおりに、予定調和を図ろうとしているのも、記事を読めばすぐわかります。

 私の住む鹿児島県は、今や全国にその名を轟かせるほどの、民度の低い恥ずかしい県となってしまいました。何と言っても、その諸悪の根源は鹿児島県庁広報課付の御用機関「県政記者クラブ・青潮会」の存在でしょう。伊藤知事への取材は基本、記者クラブ加盟者だけで、他のメディアを締め出しての定例記者会見の場に限られています。そこでは、第一に、伊藤知事のご機嫌を損ねる質問はしないことになっており、記者には、バッティングピッチャーよろしく、知事の打ちやすいボールだけを投げることが求められます。知事が上機嫌に自論を捲くし立てられれば、褒められるのです。
 また、現場取材から戻ってきた記者が、突っ込んだ記事でも書こうものなら、何やかやと条件を付けて骨抜きにする、記事をつまらなくさせるデスクの存在も、鹿児島県では大事です。

 仮に、一般県民がよくぞやったと称賛するような記事を書いてしまった場合、気の毒ですが、ここ鹿児島では、担当記者が様々な形で注意・指導を受けることになります。上海研修の報道についても、現地で起きたトラブルが“マスコミのせい”だとする抗議文が、地元6社宛てに県総務部長名で届けられたことを、県外メディアの報道で知ったぐらいです。県が圧力をかけたとか、自社の報道を批判したとか、彼らに書けるはずがないのです。
 ここ鹿児島においては、地元紙、全国紙に限らず、関心と期待を持って、読める新聞はありません。なるべく、県の問題を丸く収めようとする洗脳記事だけですから。残念ですが。


【佐賀県・玄海町の自営業男性】
 玄海町長とその一族による好き勝手な町政について、新聞は何も書かなくなってしまいました。岸本組(岸本英雄町長のファミリー企業)は、いまも町の公共事業を独占し、他の業者はそのおこぼれにあずかっています。何も変わっていないのです。新聞やテレビは、問題が起きた時だけ足並みを揃えて騒ぎますが、時が過ぎると知らん顔です。悪い人たちはそのことを知っていて、じっと黙って時間の経過を待つのでしょう。『人の噂も七十五日』とはよく言ったものです。

 佐賀県知事に対する報道も、薄っぺらなものばかりです。やらせメール事件について、独自の取材による真相究明に期待していたのですが、新聞は応えてくれていません。県庁の発表した内容ばかりを掲載する新聞に、未来はないと思います。


【鹿児島・南大隅町住民】
 南大隅町は、核のゴミをめぐる町長の破廉恥な行動で一躍有名になりました。町民だけでなく、マスコミをも騙した男が、なぜか今も町長として居座っています。大騒ぎの後、新聞は何も書いていません。町長の責任を追及する記事自体が、少なかったような気もします。自分たちも騙されたというのに、記者さんたちは怒りを感じないのでしょうか?なぜ辞めさせるくらいの覚悟で、キャンペーンをやらないのでしょうか?マスコミの人たちは、民主主義を守るだのなんだのと格好のいいことばかり言ってますが、本当に守っているのは権力者じゃないんですか?

 どう受け止めるかは、それぞれの記者の問題である。



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