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橋下徹さんへ ― 風俗嬢からの反論

2013年5月22日 09:15

 旧日本軍の従軍慰安婦をめぐる暴論を、沖縄の問題にすり替えた橋下徹・日本維新の会共同代表。分が悪いと見るや、批判的な報道を「大誤報」と断じ、米国をはじめ世界中の軍隊が悪いだの日本だけが批判される現状はおかしいだのと主張。果ては「悪いことはやっていない」と開き直り、「日本人は読解力不足」とまで言い放った。
 「止める」と言ったはずのぶら下がり会見を続け、連日見苦しい言い訳を繰り返しており、橋下氏への評価だけでなく日本維新の会の支持率も下がる一方だ。
 こうした中、怒りが収まらないのは、米軍の世話をしろと言われたも同然の沖縄の風俗嬢である。HUNTERに連絡をしてきたある女性の、説得力のある“まっとうな反論”を紹介したい。

暴走
 橋下氏の暴走はとどまるところを知らない。敵視する対象を、マスコミから米軍、国際社会へと拡げ、さらには「日本人は読解力不足」だとして自身の発言に懐疑的な国民のすべてを罵倒。21日には「保守気取りの政治家はビビったと思いますよ」と批判の矛先を自民党の議員に向けた。橋下氏が、気にいらないメディアをバカ呼ばわりするのは今に始まったことではないが、品性の欠如は如何ともしがたい。

 同日のぶら下がり会見では、「国際スタンダード」という言葉を連発し、自らの主張が国際的な基準に沿うものだという考え方を披露している。自身の発言が、その国際スタンダードとやらに合致していなかったことに気付いていないとすれば、これはもう病気というしかない。友党だったはずのみんなの党も、選挙協力の解消を正式に決めている。

反論 
 そうした中、HUNTERに「沖縄の風俗嬢」と名乗る方からのご意見メールが届いた。携帯電話の番号が明記してあり、話したいという。早速連絡したところ、本名はもちろん、勤め先の店名や源氏名まで教えてくれた。十分に真剣さが伝わってくる。

 彼女の用件はひとつ。「話した内容を、正確に記事にしてほしい」と言うのである。なぜHUNTERを選んだのか聞いてみたところ、沖縄のメディアは県民の気持ちをしっかりと代弁してくれるが、残念なことに全国に届いているとは思えない。ネットで鹿児島県南大隅町について詳しく報じていたHUNTERの配信記事を見て、記者と話してみたくなったという。

 彼女の話はこうだ。
「(一連の発言を)沖縄のためにやってるなんて冗談じゃない。自分の間違いを沖縄に押し付けるのは筋違いでしょ。だれも沖縄のことを橋下に頼んだりしていないよ。話をごまかして、自分を守りたいだけでさ、ホントは沖縄のことや風俗のことなんか何も分かってない。米軍だけが悪いから性犯罪が多いんじゃなくてさ、基地がほとんど沖縄にあるのが問題なんじゃないの?分かってないよね。
 私は風俗嬢だよ。ハッキリそう書いてね。アメリカ人のお客さんも来るから、お相手しますよ。でも国のためとか、米軍のためにやってるんじゃない。仕事がなくても沖縄に居たいから、仕方なく風俗やってる娘は多いんだよ。橋下から命令されるいわれもないよね。女を下に見てるんだろうね。
 一番こいつ(橋下)がバカだと思うのは、批判されて『慰安婦制度は認められない』なんて格好つけるくせに、じつは米軍の司令官に『風俗を使え』と言ってたこと。それって、沖縄の風俗嬢に米軍の“慰安”をやれってことでしょ。米軍の性欲解消に沖縄の風俗嬢を差し出してるわけで、昔の従軍慰安婦と同じことよね。矛盾してる。
 自分の間違いに気付かないのもみっともないけど、きちんと謝らないのが頭にくる。何様のつもりか知らないけど、(沖縄には)二度と来るなと書いて欲しい」。

 同感である。的を射ている。その通りに書かせていただいた。

名こそ惜しけれ
―― 「慰安婦制度が必要なのは誰だって分かる」。
―― 「当時の歴史を調べたら、日本国軍だけでなく、いろんな軍で(慰安婦を)活用していた」。
―― 「(在沖縄米軍司令官に)もっと風俗業を活用してほしい」。

 いずれも間違いなく橋下氏の発言である。前後の内容、文脈を見ても、批判が発言の一部を切り取られた結果だという橋下氏の言い訳は通用しない。橋下氏が唐突に言い始めた「国際スタンダード」がいかなるものか分からないが、少なくとも軍事行動を遂行するためには女性の犠牲が必要だと決め付けた橋下氏の発言が、国際社会で容認されるとは思えない。狙いはことを大きくし、最初の発言を矮小化することだろうが、世間はそう甘くはあるまい。

 ここに来て明確になったのは、「保守」というものに対する橋下氏の考え方である。
 従軍慰安婦問題に関する発言が慎重になった自民党に対し、「ビビった」と不良のような表現で噛み付いた橋下氏は、何度も「保守気取りの政治家」という表現を使っている。どうやら橋下氏は、かつての日本の蛮行を正当化するのが保守だと思い込んでいるようだが、これは間違いだ。保守勢力が守るべきは、正しい伝統や文化なのだ。

 生前、大阪をこよなく愛した作家の司馬遼太郎氏は、『名こそ惜しけれ』という武士道の精神こそが、世界に通用する価値観であると説いた。保守勢力に限らず、この国が守るべきものとは、国際社会に誇れる日本固有の精神――「恥を知る」ということだ。

 27日には外国人記者クラブで持論を訴えるという橋下氏。おそらく国際社会に向かって「日本だけが悪いんじゃない」という子どもじみた屁理屈を並べ立てるのだろうが、国民にとっては迷惑極まりない話だ。「国際スタンダード」とやらの不可解な主張を展開する前に、きちんと謝罪することの方が大切だろう。
 多くの国民が思っている。“橋下さん、恥を知りなさい”――と。



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