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薩摩に蠢く原子力ムラ
―鹿児島県・南大隅町に重大疑惑―

2013年2月28日 10:35

 南国薩摩の小さな町が、原発行政の狭間で揺れている。
 九州本島最南端、大隅半島の先端にある鹿児島県肝属郡南大隅。旧根占町、旧佐多町が合併してできた人口9,000人あまりの同町は、南東側が大隅海峡、西側が錦江湾に面する風光明媚な土地だが、佐多岬を中心とした観光の他には、取り立てて産業があるわけではない。つまりは典型的な過疎地である。
 海沿い、過疎地とくれば原発の立地環境と同じであることに気付くが、南大隅町の場合は、さらにタチの悪い核関連施設建設の標的となってきた。
 その施設とは、この国が抱える最大の問題である「高レベル放射性廃棄物最終処分場」である。
 同処分場をめぐり、南大隅町に重大な疑惑が持ち上がっていることを、2回に分けて報じていく。

福島第一原発汚染土処分で注目
 ことの発端は昨年8月の民放キー局によるニュースだった。報道では、福島第一原発の事故によって発生した放射性物質汚染土の処分地として、政府内で鹿児島県肝属郡南大隅町が候補地となっていることを紹介。具体的にその場所まで特定した。

 町内が大騒ぎになったのは言うまでもない。同町では、平成19年に町や町議会関係者らが「高レベル放射性廃棄物最終処分場」の誘致に動いていたほか、平成23年には一部町民から「高レベル放射性廃棄物最終処分場誘致に賛成する陳情書」をはじめ積極的に処分場建設を推進することを求める3件の陳情が出されるなど、のどかな地域を揺るがす事態が続いていたからだ。

 問題の原発汚染土の処分場に関する報道があった直後、伊藤祐一郎鹿児島県知事が受入を否定。町では反対集会が開催され、これを受けた町は年末になって「南大隅町放射性物質等受入拒否及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例」を制定し、事態の沈静化を図っていた(下がその条例。南大隅町提供)。

鹿児島 041.jpg  鹿児島 042.jpg

 HUNTERは、政府関係者などに確認取材を続けていたが、南大隅町に福島第一原発の汚染土処分場を建設するという計画を確認することはできなかった。

 そうした中、HUNTERの記者が、あるモーターボートの存在を確認する。ボートの持ち主は、森田俊彦南大隅町長。問題は町長がそのボートを入手した経緯と、前の所有者。取材を開始してから2か月。たどり着いたのは、得体の知れない電力関係者の暗躍と、そこに取り込まれた町政トップの情けない姿だった。

 明日の配信記事で、27日までに掴んだ南大隅町の重大疑惑を報じる。



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