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小川福岡知事関連政治団体に政規法違反の疑い
―会計帳簿・領収書 不存在の可能性

2013年1月16日 09:30

小川洋 小川洋福岡県知事の関連政治団体に、政治資金規正法違反の疑いが生じている。
 問題があると見られるのは知事選が行われた平成23年の小川知事の支援団体「福岡県の未来をつくる会」と「小川洋後援会」の政治資金収支報告。
 両団体は、約3,500万円もの政治活動費を政治資金収支報告書に記載義務のない1件5万円未満の「その他の支出」の合計として一括処理。もともと収支報告書への記載義務がない経常経費を加えると、使途が明かされぬ形の政治資金は約6,400万円に上ることが判明していたが、この取材過程で収支報告の基礎資料となる会計帳簿や領収書が保存されていない可能性が浮上。知事側に確認したところ、関連書類の開示を拒否した上、支出の内容について説明できない事態となった。
 政治資金規正法上の虚偽記載や関連書類の保存義務違反が疑われる。

巨額な不透明支出
 小川知事を支援する目的で設立された「福岡県の未来をつくる会」と「小川洋後援会」(ともに松尾新吾前九電会長が代表)は、福岡県知事選が行なわれた平成23年に、両団体で計1億2,179万3,970円を支出していた。政治資金の流れを見ると、2,837万円はつくる会から後援会への迂回寄附となっているため、これを差し引くと実質的な支出は9,342万3,970円である。

 このうち、約3,500万円分の“政治活動費”を5万円未満の支出として一括処理。もともと細かい内容の記載が義務付けられていない経常経費の両団体総計2,900万円を加えると約6,400万円が不透明な支出となっていた。

 麻生渡前知事の資金管理団体「清朋会」(平成23年8月解散)が、小川知事側の政治団体同様、「組織対策費」に5万円未満の支出を集中させる手法を用いていたことや、前・現両知事の政治団体で同一人物が会計責任者を務めていたことから、帳簿および領収書の保存に疑問が生じたため、関係者に取材していた。

小川知事側は関連種類の確認を拒否
 「福岡県の未来をつくる会」と「小川洋後援会」の会計責任者は今月10日、帳簿があったかどうか定かではないとした上で、帳簿や領収書については、小川知事の事務所に確認してもらいたいと明言。翌11日、小川知事の事務所の所長に取材の趣旨を伝えて面会したところ、会計帳簿と領収書はたしかに存在すると言うものの、帳簿の存在だけでも確認させてもらいたいという記者の要請には「収支報告がすべて。それ以上の公表は出来ない」として関係書類の開示を拒む事態となった。

小川洋(縦) 知事の事務所側が回答に詰まったのは、この後の記者の質問からだった。
 記者:それではここにある「おがわ洋後援会」の看板の写真を見てもらいたい。
 所長:これですか?

 記者:後援会の看板は、知事の選挙事務所に掲げられていたものだが、この他にも多数あったはずだ。その看板作成にかかった経費はどれくらいの金額で、収支報告書のどこに記載されているのか?
 所長:確認する時間をもらいたい。

 翌日、知事の事務所側から回答の電話をもらった。

 所長:確認したところ、収支報告書の中の宣伝事業費に看板代がありました。
 記者:それは違う。その看板代は福岡県の未来をつくる会のものでしょう。こちらが聞いているのは後援会の看板のことですよ。
 所長:それは、まぁ、・・・・・。

消えた後援会の看板代 
 知事側は、後援会の看板作製にかかった金額はもとより、収支報告書のどこに記載されているかさえ分からないのである。

 右の写真にあるのは、平成23年の知事選で、小川洋知事(当時は立候補予定者)の事務所前に掲げられた2枚の看板だ。「おがわ洋後援会」の看板であることは一目瞭然である。
 当時は、記事冒頭の写真を含め、この他にも後援会の看板が設置されており、その数は数十枚。当然、制作費として相応の支出があったことになる。

 しかし、小川洋後援会の平成23年の政治資金収支報告書には、当然あるべき「宣伝広告費」の中に看板製作費の記載は一切ないのである。
 下の文書は、後援会の収支報告書にある「宣伝事業費」のページだが、記載されているのは23,152円の支出だけ、しかも『印刷費』となっていた。看板の製作費は一円も計上されていない。

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 ここで、帳簿や領収書を見て確認したという知事側の話に疑問が生じるのは言うまでもない。帳簿や領収書があるなら、後援会の看板代がどれほどの金額で、収支報告書のどこに計上されていたのか確認できるからだ。

 考えられることはひとつ。知事側の政治団体のうち、少なくとも「小川洋後援会」は、会計帳簿や領収書を保存しておらず、収支報告書の記載が確認できない状態にあるということだ。

 政治資金規正法は、政治活動で使われた政治資金を管理するため、会計帳簿の備え付け、および保存を義務付けている。領収書も含めて、保存期間は報告書の要旨が公表された日から3年となっており、仮に知事側が帳簿などの保存を怠っていれば3年以下の禁錮又は50万円以下の罰金、収支報告書に虚偽の記載をしていた場合は5年以下の禁錮又は100万円以下の罰金となる。



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