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汚れた選良

2012年12月17日 10:35

 16日、自民党の政権返り咲きという最悪の審判が下された。突然の解散だったため、公示直前になって公認候補が決まるケースも少なくなかったが、有権者にとって候補者がどのような人物かということは関係がなかったようである。
 福岡では、当選した自民党候補のうち、福岡1区、同2区、同7区で駆け込み的に公認を決定、普通なら知名度不足で勝負にならない状況であったにもかかわらず、いずれも大差で民主党候補を破っている。自民党なら誰でも良かったということだ。
 結論から先に述べておくが、少なくとも福岡7区の有権者は、じきに選択の結果が間違いであったことを思い知らされることになる。当選した候補者が、とうてい“選良”とは言い難い人物だからだ。
 HUNTERの記者が同区での選挙取材中、そのことを象徴する光景に出くわしていた。自民党新人・藤丸敏氏(52)陣営の「ボランティア」による露骨な対立候補への嫌がらせである。

まるで“やくざ” ―自民・藤丸陣営ボランティア
 選挙戦最終日の15日、夕方5時を回ってあたりが暗くなり始めた頃、民主党・野田国義候補の選挙事務所が騒然となった。
 なんと、同候補の事務所の真横に、「至誠をつらぬく」という藤丸陣営のキャッチコピーが書かれた陣営のジャンパーを着て、同じく藤丸氏の選挙用ビラを胸にかかげた一人の男が立っていたのである。

 対立候補の事務所前で、自陣営のジャンパーを着込んでビラ配りをするなど聞いたことがない。もちろん、選挙妨害に等しい嫌がらせである。驚いた野田陣営のスタッフ達が血相を変えて飛び出して行ったのは言うまでもない。

 藤丸陣営の運動員がやったことは、嫌がらせ程度の話では済まない。選挙用ビラは、候補者の街頭演説場所や選挙事務所、個人演説会場など、定められた範囲以外で不特定多数に配布を行うことが禁じられているからだ。 
 つまり、藤丸陣営運動員の行為は明らかな公選法違反なのである。

 野田陣営のスタッフによれば、ビラまきをしていた藤丸陣営の運動員は、「ボランティア」と名乗った上で、「自分の判断でやっている」と答えたという。非常識だと抗議すると「ああ、そうですか」とうそぶき、去って行ったという。(下の写真は、選挙事務所の前から去っていくボランティア氏の後ろ姿)

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 記者が見た限り、ボランティア氏の人相・風体は見るからに暴力団関係者。自民候補の背景を象徴しているかのような人物だった。
 というのは他でもない。当選した藤丸氏、古賀誠氏の秘書として建設業界の仕切り役というお役目についていただけではなく、闇社会とのつながりまで持っているのである。汚れた“選良”には汚れたボランティア運動員がついているのだろう。
 藤丸氏の建設業界との関係などについては、いずれ詳しく報じる予定だ。

 それにしても気の毒なのは福岡7区の有権者である。



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