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税金使って選挙運動
―民主党の終焉―

2012年11月 1日 11:00

民主党本部 臨時国会を開いたとたん、離党者が相次ぐ民主党。平成21年夏の政権交代時に330以上を有していた同党の衆院の議席も242議席となるのが確実。国民新党の3議席を合わせても245議席しかない。あと6人が離党に踏み切れば与党は衆院で過半数ラインである240議席を割り込み、内閣不信任案の可決が視野に入る事態だ。
 まさに断末魔としか言いようのない同党の姿は、この3年間で期待を裏切り続けてきたことの証でもある。
 その民主党が、事実上「税金」を使って選挙運動を行っていたことが明らかとなった。

離党「あと3人は確実」
 ある民主党関係者は、確信を持って「あと3人の離党は確実」だという。すでに比例区議員などの実名(いずれも当選1回)が囁かれており、同党執行部の説得も功を奏さないだろうと見られている。すると過半数割れまで3議席となるのだが、じつは「2議席でアウト」(同)なのだという。

 体調悪化が心配されていた同党最高顧問・羽田孜元首相の状態が思わしくなく、国会で採決があっても出席できないというのだ。すると実質マイナス1で、2人離党すれば不信任案が成立するという寸法だ。
 この他にも離党予備軍はまだまだいるとされ、解散総選挙を先送りしたい同党議員たちは、息を凝らして同僚の動きを注視するといった有り様なのだ。

自業自得
 こうした状況を招いたのが、民主党の幼稚な政権運営と国民の声を無視した傲慢な姿勢にあることは言うまでもない。
 ひとつひとつ例を挙げればきりがないが、増税にせよ原発再稼働にせよ、十分な説明もせぬまま事を運び、霞ヶ関が作ったシナリオを忠実に演じたに過ぎない。
 この間、消費増税をめぐっての議論を打ち切り「手続きは踏んだ」と強弁するなど、党内意見を集約するための仕組みさえ確立していなかったことを露呈、小沢一郎氏らの大量離党を招く結果につながっている。子どもの学級会以下の集団と言っても過言ではあるまい。
 政権維持に汲々とするあまり、少数意見をないがしろにし、国民目線さえも忘れたツケが回ってきたということだ。

選挙も幼稚
 野間たけし 電話例文 政権運営も幼稚だったが、「選挙」に対する取り組みでも稚拙な手法を用いて失敗していた。
 右の文書は、今月28日に投・開票された衆院鹿児島3区の補欠選挙で、同党が在京議員の事務所に配布した「電話作戦」のマニュアルである。
 推薦した国民新党新人の支持を訴える内容なのだが、あまりのお粗末さに電話作戦を躊躇した関係者も少なくなかったという。

 マニュアルには、《*「どこから掛けているのか」問われた場合は「東京後援会す」と返答》と記されているのが分かる。
 ところが、総務省や鹿児島県選挙管理委員会に確認したところ、件の新人候補に関連する「東京後援会」という名称の政治団体は届け出られていない。
 有権者の問いに架空の団体を名乗った可能性さえあり、嘘つき民主党を象徴する事例である。

 後半を見ると、TPPと川内原発(鹿児島県薩摩川内市)についての候補者の主張を確認しているが、《川内(せんだい)原発の再稼動について聞かれた場合は「野間たけしは、安全性担保を前提に再稼働すべきと考えています」と答えてください。》
 民主党や国民新党が言う「安全性」とはいかなるものか今もって判然としない中、この一文は、まさに民主党が続けてきた付け焼刃の政治手法を如実に示すものと言えよう。

「議員会館」で選挙運動
 ところで、民主党の電話作戦には大きな問題があった。
 前述の「東京後援会」を名乗った手法もさることながら、国会議員の1事務所あたり200件を目安とした作戦実施にあたり、携帯電話を貸し出した上、とんでもない場所を使っていたことが分かっている。

 下は、携帯電話の貸し出しと電話作戦の実施場所を指示した文書(赤い囲みはHUNTER編集部)なのだが、各議員の事務所の他で示されているのは『衆議院第2議員会館4階418号室』だ。
 衆院第1、第2、参院と3棟ある議員会館には、各階に会議室として使用できる部屋を設けているが、そのうちの1室が第2議員会館の418号室である。

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gennpatu 1864410314.jpg 議員会館について、「国会法」第132条の2には、次のように既定されている。
《議員の職務の遂行の便に供するため、議員会館を設け、各議員に事務室を提供する》。
 議員会館は、約1,700億円もの税金を投入して建設された国会議員が職務を遂行するための施設だ。維持管理にもさらに税金が充てられており、選挙運動を行うことが認められるわけがない。
 民主党は、国民の目が届かないことを幸いに、国会施設を利用した選挙運動を行っていたのである。
 税金を使った選挙運動であることは明らかで、この党の無節操さには呆れるばかりだ。

 「税金のムダ遣いをなくす」と叫んでいた民主党の主張が、選挙目当ての真っ赤な嘘だったことは明白。この党は、すでに自らの存在意義さえ忘れているのである。



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