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闇報酬疑惑の自民・福岡4区支部長 主張と現実の落差

2012年11月22日 09:00

宮内秀樹後援会事務所 20日、自民党が衆院選における第2次公認候補を発表した。その中には、建設会社から闇報酬をもらっていたことが明らかになっている福岡4区の選挙区支部長・宮内秀樹氏(50)の名前があった。
 首尾よく公認にはなったものの、闇報酬発覚以来、宮内氏はこの件に関して沈黙を守っており、自身のホームページなどで経緯を説明する姿勢さえ見せていない。
 これで公職の候補者といえるのか疑問だが、宮内氏自身は、ブログなどで政治家の在るべき姿について立派な主張を繰り返していたことが分かった。発信された主張と現実との落差に、政治不信の世情が重なる。

隠されていた建設業界との癒着
 HUNTERの調べによれば、宮内氏は平成21年9月から今年9月までの3年間、関東地方にある建設会社から年間600万円以上だったとされる給与を受け取っていたほか、同じく21年の同時期から22年の夏ごろにかけて、別の建設会社からも月数十万円の報酬を得ていた。いずれも勤務実態はなく、“闇報酬”であったことは明らか。建設業界との癒着を示す典型的なケースだ。

宮内2.jpg タチが悪いのは、宮内氏が建設業界との密接な関係を、意図的に隠していたことである。
 宮内氏のホームページの経歴を見ると、秘書としての経歴以外は何も記されていない。政治一筋を強調したかったということらしいが、闇報酬をもらっていた会社のことはもちろん、勤務実態があった平成平成8年4月から同年10月まで海洋土木専門の建設会社に勤務していたことさえ伏せられている。経歴として「建設会社勤務」程度のことを入れても良かったはずだが、これも記載されていない。

 宮内氏はマスコミ各社に提出した「調査表」と呼ばれる立候補予定者向けの経歴書にも、建設会社勤務の事実を記入していないことを認めており、経歴詐称と言っても過言ではない状況だ。
 とくに、平成21年以降に報酬を得るようになった2社については、勤務実態に見合わぬ“闇報酬”だったため、意図的に「なかったこと」にした可能性が高い。

主張との落差
 だんまりを決め込み、まんまと自民党の公認候補となった宮内氏だが、自身のブログなどでは政治のあるべき姿について、次のように綴っていた。

『襟を正す』(7月8日)
《大阪市職員の「入れ墨問題」、福岡市職員の「禁酒令」、そして「生活保護の不正受給」と今、日本人の“モラル”が問われる問題が続出しています。公務員は勿論、有権者の皆さんの投票で選ばれた国会議員も、改めて自ら襟を正すべき時ではないでしょうか。
「嘘をつく」「責任を取らない」「暴言を吐く」「問題が起きたら誰か人のせいにする」そして最後は「開き直る」・・・。そんな下品な政治とは、もう決別しましょう
政治のリーダー達が国民に約束したことよりも、党利党略や、権力闘争を優先するような政治には終りを告げ、正直で分かり易い正しい政治を進める為、今一度、それぞれが襟を正して考え、行動しなければ本当に日本の政治が危ない!と強く思います》。

『政治は国民に対して謙虚であらねば』(6月3日)
《今の日本の政治は、民主党とか自民党とかいう前に、“国民にうそをつかない、騙さない、分かり易い、責任ある政治”を実行しなければ、国民の政治に対する信用の回復はありません。誠実で謙虚な姿勢なくして政治は成り立ちません》。

 《うそをつかない》、《騙さない》といった言葉は、宮内氏自身に向けられるべきものだろう。この際、きちんと説明責任を果たして『襟を正す』姿勢を見せてもらいたいものだが・・・。





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