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公共事業でまかり通る反社会的行為
「違法」の指摘無視する鹿児島県と大成建設JV

2012年10月17日 09:30

エコパーク夜間作業1 ゼネコンと組んで無法の限りを尽くす公共機関の実態が浮き彫りとなった。舞台は鹿児島県である。

 今月10日、鹿児島県薩摩川内市で県が建設を進める産業廃棄物の管理型最終処分場「エコパークかごしま」(仮称)の工事現場で、場内の汚泥を通常の残土と混ぜて搬出するという産業廃棄物処理法に抵触する現状を報じた。
 事業を所管する環境林務部 廃棄物・リサイクル対策課への取材直後から報道までの間、いったんは適正な工事を行なっていたが、記者が現地を離れたとたん、再び違法な夜間工事を再開していたことが明らかとなった。
 事業主体である県環境整備公社並びに大成建設を中心とするJV(特定建設工事共同企業体)が、確信犯的に違法行為を行なっている可能性が高い。

再び違法工事
 先月28日から今月4日にかけての取材では、業者が夜間工事において汚泥や汚泥混じりの石を建設残土置き場に運んだ上、翌日そのまま搬出する状況を確認。さらに、汲み上げた濁った汚水も残土置き場に捨て、通常の建設残土と混ぜ偽装するなどの悪質な手口も目撃し、一連の行為の全貌を画像に残していた。

 同事業を所管する県環境林務部 廃棄物・リサイクル対策課に確認取材を行ったのが5日。県側は「事実関係を確認する」としていたが、この翌日から工事現場に大きな変化が現われた。
 周辺に見えるようにライトで照らし出し、汚水を所定の池に捨て濁水処理機を通すという所定の工事手法をこれ見よがしに実施したのである。

 しかし、適法な工事は2日間だけ。記者が現地を引き上げたその日から、再び夜間の違法行為が始まっていた。
 異変に気付いた地元住民らの情報提供を受け、現地で確認したところ、より暗くした夜間工事で汚水を通常の建設残土にばら撒くなどの、不適切な工事を再開させていた。

 記事冒頭の写真は、乏しい光の中で汚泥や汚泥混じりの石などを重機で通常の建設残土と混ぜる場面。下は、バキューム車が汲み上げた汚水を、決められた「池」ではなく、残土の上に放出する瞬間を捉えたものである(夜間だが、バキューム車の後方から流れ出す汚水が写っている。

エコパーク夜間作業2

許されぬ公共事業での反社会的行為
 HUNTERの取材に対して「調査する」としていた鹿児島県だが、結果についての連絡はないままだ。
 先週12日には、HUNTERの報道を受け現状確認した地元住民らが、県を訪れ事実確認と抗議を行っていたが、こちらに対してもいまだに回答はないという。

 16日早朝、処分場建設反対を唱えてきたメンバーのひとりが、工事現場に来た県環境整備公社の福永建設課長に対し、約束の工事手法が守られていないことに抗議したというが、県から出向している同課長は何も問題ないという傲慢な姿勢に終始していた。
 画像という決定的な証拠が残された違法行為でありながら、これを平然と否定する課長とのやりとりは、抗議したメンバーによってその一部始終が記録されていた⇒「冠嶽の霊山性を守る会」公式チャンネル10月15日
 問い詰められた建設課長は、汚水は適正に処理していると強弁しながらも、捨てられた汚水が「浸透」して云々などと予防線まで張っていた。極めて幼稚な主張である。

 これまで県および同公社は、『工事現場から発生する濁水や窪地に溜まっている水については、濁水処理施設で処理した後、阿茂瀬川に排水』と公表してきており、公社が発行している「環境整備公社だより」の10月号にも、同じ説明が明記されている。(下がその記述部分。赤いアンダーラインはHUNTER編集部)

「環境整備公社だより」より

 だが、取材結果で明らかな通り、工事現場内の汚泥や汚水を建設残土に混入させ搬出しているのは紛れもない事実だ。違法であるだけでなく、公表された環境保全策も守られておらず、河川に悪影響を招く可能性が高い。

 県公社や工事業者は、県による「調査」が途中であるにもかかわらず、違法が疑われる環境破壊行為を、確信犯的に行なっているのである。
 違法・脱法行為を繰り返すのは反社会勢力だけと思っていたが、鹿児島県では“公共事業”において、タチの悪い反社会的行為が公然化している。



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