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九電・川内原子力発電所の現状
津波、テロへの対策不備まざまざ

2012年7月19日 09:40

拡大する脱原発への動き 
13日の官邸前 国民の声を無視して大飯原発(福井県おおい町)を再稼働させた野田政権だが、この方針に反対する流れは、より大きなものとなって政権を揺さぶる形となっている。(写真は13日の官邸前)

 首相官邸前には週末ごとに万単位の人が集まり、16日にはノーベル賞作家の大江健三郎氏や音楽家・坂本龍一氏などの呼びかけに応じた17万人(主催者発表)もの国民が代々木公園に集まった。脱原発への動きは拡大する一方だ。

 安全対策の不備に加え、国や電力会社の隠蔽体質は温存されたまま。これで再稼働させるというのはどう考えても無謀な話だ。

 そうした中、経済産業省原子力安全・保安院は18日、北陸電力志賀原発(石川県志賀町)と関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内を走る断層について、「活断層」の可能性があるとして、それぞれの電力会社に追加調査を指示した。安全を確認しているとしてきた保安院のこれまでの主張を自ら否定した形だ。

 先週末、半年ぶりに九州電力川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)を訪ねてみたが、こちらの安全対策にも大きな疑問を感じることとなった。

正門前、写真撮影を制止 
川内原発正門前 川内原発の正門前。カメラを構えたとたん、配置に就いていた警備会社の職員が「写真撮影はお断りしています」と言いながら近づいてきた。理由を問うと、「警備上の都合」なのだという。

 しかし、記者が立っているのは公道(県道43号線)上で、原発の敷地内に入っているわけではない。すでに風景の一部と化した原発施設の写真を撮ることを九電側から制止されるいわれもない。

 誰の指示なのか聞いてみると「上のほうからの指示」。他のマスコミにも同じ対応をしているのか確認したが、「お願いする場合もあります」と、じつにあやふやな話が続く。

 警備上の都合というが、グーグルやヤフーの地図検索を利用すれば、上空から捉えた原発施設の詳細は一目瞭然の状態だ。正門からの写真撮影を制止する意味はない。電力会社の傲慢さは相変わらずのようだ。

線量計 同行した地元の人が線量計で放射線の数値を測定していたが、0.15マイクロシーベルト/時。とくに問題はない数値なのだというが、薩摩川内の市街地やお隣のいちき串木野市で計測したもの(0.06、0.03)より高めの線量だった。定検中とはいえ、原発は大気中や海に放射能を垂れ流す存在なのだ。
 撮影を始めてから2人に増えた警備員の視線は、最後まで冷やかなものだった。

これでも安全?
 九電は昨年、福島第一原発の事故を受けて、非常用ディーゼル発電機の代替として移動式大容量発電機の配備を行うなど、主として津波に対する緊急安全対策を実施してきたとしている。しかし、現実はどうだろう。

 下の写真左は、川内原発の温排水を放出する「放水口」のそばから撮影した一枚だが、一帯に樹木が生い茂るだけで、防潮堤などの整備は行なわれていない。

 さらに、この写真を撮った場所には誰もが簡単に行くことが可能で、テロ対策など皆無といった状況だ。これで安全対策が十分と言えるのだろうか?

川内原発  川内原発

 福島第一の事故後、原発に関する嘘や隠蔽が常態化した電力会社や国の主張を信用する国民は少ない。
 九州には川内、玄海(佐賀県玄海町)のふたつの原発があるが、安全が確保されたとする九電の発表が信用できるものとは思えない。



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