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日当5万1800円
福岡県が天下り法人「建設技術情報センター」へ高額人件費

2012年5月29日 09:45

福岡県建設技術情報センター ― 日当51,800円 ― 、国会議員や知事以上に税金を食い潰す職業があるとは知らなかった。

 HUNTERが福岡県への情報公開請求で入手した文書から、県の天下り法人に対する業務委託で、2万円台から3万円台、最高で5万円を超える高額な日当を支払っていることが明らかとなった。

 原資はすべて税金。長引くデフレ不況に苦しむ民間企業をよそに、役人天国における狂気の沙汰が続いている。

福岡県建設技術情報センター
 高額な人件費を受け取っているのは、県の外郭団体「財団法人 福岡県建設技術情報センター」(福岡県篠栗町)。
 同センターは、土質やコンクリート、アスファルトといった各種建設資材の品質確認試験、自治体が発注する公共工事の設計・積算および工事監理・検査、公共事業従事者に対する研修などを行っており、県幹部OBが理事長と専務理事に就任することが慣例となっている典型的な天下り法人だ。
 60名の職員のうち半数を派遣された県職員が占め、残りは嘱託職員という事実上県の出先機関である。

驚きの人件費
 gennpatu 233392434.jpgHUNTERが福岡県に情報公開を請求していたのは、平成21年度から23年度にかけて県が同センターに業務を委託したおりの積算書だ。

 発注業務の内訳とコストを検証するためだったが、開示された文書の数字は大半が黒塗り。県が発注した業務の各項目に、どの程度のコストをかけているのかまるで分からない(右の文書参照。青塗りはHUNTER編集部)。しかし、黒塗りばかりの書類の中にあって、すべての数字が記された複数の積算書があった。

 違いについて確認したところ、非開示にしたのは同センターのみが応札した契約分、いわゆる「一者応札」のケース。一方、入札が行なわれる業務委託については、数字が公開されても競争の原理が働くため、開示したのだという。
 勝手な理屈だと呆れていたところ、目に飛び込んできたのが「51,800円」という数字だった。

 下は、同センターが県から委託された県立高校の耐震診断にかかる人件費の見積りだが、1日あたりの金額には51,800円(技師長)、38,900円(技師A)、31,600円(技師B)、26,200円(技師C)、22,700円(技術員)と法外な数字が並ぶ。

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 この業務委託では、「技師長」への支出がなかったことになっているが、県が定めた同職への支払金額は、どの見積書を見ても51,800円。最低ランクの「技術員」でも、22,700円という驚くべき日当の額だ。
 県の天下り法人に対する便宜供与と言うしかないが、見積り金額にこうした金額を設定しているということは、常識を超えた支払が常態化していることを示している。
 情報公開に立ち会った担当職員に日当が高過ぎると思わないのか尋ねたが、返答はなかった。

 民間の専門家は、耐震診断にかかる日当は、高くても2万円が限度ではないかと話している。

 同センターの事業収入は、年間約14億円から16億円。以前から「民間企業への再委託金額に疑問がある。度を越えた"ピンはね"が行われている」との指摘が絶えなかったが、平成22年度末の時点で、現金預金が約5億1,817万円、資産合計は約16億円にまで膨れ上がっていた。
 平成22年度には、県の経営評価委員会が行った経営評価で事業の見直しを求められているが、改善は進んでいない。

 天下り法人への高額な人件費支出は、県民を食い物にした役人の犯罪である。





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