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薩摩川内処分場工事で「汚水」垂れ流し

相次ぐ鹿児島・伊藤県政の暴走

2012年4月25日 11:45

 DSC_0582.JPG反対住民の声を無視して、鹿児島県が薩摩川内市で建設を強行している産業廃棄物の管理型最終処分場「エコパークかごしま」(仮称)の工事現場から、付近を流れる阿茂瀬川に法の基準をはるかに超える汚水を垂れ流していることが判明した。
 
 阿茂瀬川は、鹿児島県最大の河川で薩摩川内市の水道水源となっている川内川の支流。県の公共事業が環境を破壊し、市民の安全に影響を与えている可能性が出てきた。
 
 同処分場をめぐっては、工事現場にあった産業廃棄物であるはずの「汚泥」を、一般の土砂として捨てていたことも分かっており、県の法令無視の姿勢が次々と顕在化した形だ。


国の基準値は最大でも「200mg/L」
 sannpai4.JPG水質汚濁防止法はその第3条で、工場や事業場から公共用水域(公共利用のための水域や水路。河川、湖沼、港湾、かんがい用水路など公共の用に供される水域や水路)に放出される水について、水質汚濁を防止するための排水基準を規定するとしており、同規定に基づき細かい基準値を総理府令で定めている。

 このうち、放出水中に含まれる浮遊物質量を「SS」と表記して、水質汚濁を示す指標としており、河川への排出基準を日平均「150mg/L」、最大でも「200mg/L」と規定している。(注・1mg/Lはほぼ1ppmと同じ。1リットル中に1ミリグラムの意)

 同処分場の建設工事では、敷地内の汚水を沈殿池に集め、濁水処理装置を通して24時間場外に放出しており、鹿児島県および県環境整備公社は、同処分場工事にあたって放出する水のSSを「25mg/L」以内に押さえて放流しているとしていた。

垂れ流される汚染水
 こうした県側の主張には早くから疑問符が付いていた。冒頭の写真でも明らかなとおり、処分場建設工事現場からは、連日大量の水が放流され続けており、どう見てもSS=「25mg/L」以下には見えない。

 環境汚染を心配した地元自治会などは今年3月、工事現場から放出される水のサンプルを採取し、京都の検査機関に計量検査を依頼。その結果3月26日と27日の採取サンプルからそれぞれ「1000mg/L」と「170mg/L」のSS計量値が検出された。(下の文書参照)

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 いずれも県が公言していた「25mg/L」を超えているだけでなく、3月26日の「1000mg/L」に至っては水質汚濁防止法にも違反する高い数値だった。
 地元住民らは、工事を施工するJV(大成・植村・田島・クボタ特定建設工事共同企業体)にこの事実を伝えたとしている。

逃げ道さぐる県側の姿勢
 25日、処分場工事を担当する鹿児島県環境林務部廃棄物・リサイクル対策課に確認したところ、「初めて聞いた話」であるとして事実関係を把握していないことを明言。 水質汚濁防止法の関係を所管する環境保全課も聞いていないとしている。

 一方、事業主体である県環境整備公社は、「話は聞いている」とした上で、公社やJV側のデータではそうした事実は確認できないとして、事実上の否定。さらに、「処分場は総理府令で定めた事業場にあたらない」とする見解を示した。
 採石場なら総理府令が定めた基準を守る必要があるが、処分場は該当施設にあたらないという理屈である。県環境保全課も同様の説明をしており、県側で意見を統一したとしか思えない対応だが、この主張は現実と乖離し過ぎている。

 第一、処分場工事は現場の汚泥や土砂を搬出する作業の段階で、建屋の建築工事などは、はるかに先。「処分場予定地」ではあっても、「処分場」にはなっていないのだ。
 加えて、処分場予定地の所有者である砕石業者「ガイアテック」の砕石プラントは現在も稼働しており、県の主張は実態にそぐわないものなのである。
 違法状態を指摘されながら屁理屈を並べて逃げる手法は、場内から搬出した"汚泥"を「産廃ではない」と言い張るのと同様、法令無視の許されざる行為だ。

ツケは県民に・・・ 
 伊藤祐一郎知事はこれまで、自らの政治資金への疑惑や、同処分場、県営住宅(鹿児島市松陽台)をめぐる問題について、なんの問題もないという姿勢をとり続けてきた。
 民間企業の産廃処分場設置許可を握りつぶそうとして、環境省から「違法」との裁決を受けても、会見では「国は国で勝手にいろんなことを言う」とうそぶく始末。
 この知事は、自分が法律だと言う思い上がった思考の持ち主なのだろうが、法令無視が常態化した鹿児島県政の現状が、伊藤氏に由来するものであることは疑う余地がない。

 環境破壊に税金の無駄使い。ツケを回されるのが県民であることは間違いないのだが・・・。



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