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薩摩川内市 市長交際費で酒ばら撒き

すべて選挙区内 公選法違反の疑いも

2012年3月 7日 07:30

 長年にわたり市長交際費で記者クラブ所属の記者に記念品を渡していた鹿児島県薩摩川内市(岩切秀雄市長)において、同じく市長交際費を使って市内の様々な会合にビールや焼酎などを提供していたことがわかった。
 
 市長交際費で購入された酒は、地域の祭りや新年会をはじめ、医師会や建設業界といった多くの団体の会合に幅広くばら撒かれており、税金を使って公然と選挙運動を行っているような形だ。

 公職選挙法は、政治家の選挙区内における寄附を禁じており、同法の規定に抵触する疑いも生じている。


広範囲に酒のばら撒き
 HUNTERが入手したのは平成21年4月から平成24年1月までの薩摩川内市における市長交際費の決済文書や領収書。
 このうち140件にのぼる酒の購入について調べたところ、同市ホームページの市長交際費執行状況に「祝酒」と記されている支出が、大半はビールか焼酎で、市内で行われた様々な会合にばら撒かれていた。

 「祝酒」の送り先は様々だ。ライオンズクラブ、ロータリークラブ、地域ごとの祭り、消防団、商工会議所、町民総会、内水面漁協、年金者連盟、三師会、医師会、獣医師会、JA、体育協会、建設業協会、管工事協同組合などなど、数十の団体による新年会や総会、懇親会などに提供されている。同市内に工場があることで「中越パルプ埋立処分場対策協議会・意見交換会」などという記載もあった。

 提供されたのはビール(1ダース)または焼酎の現物だが、決済文書上は、ほとんどの支出が「祝儀」などとされていた。現金による「祝儀」は1件もない。

 下の文書は決済文書の一部だが、なぜ税金を原資とする市長交際費から、商工会、建設業協会の懇親会や医師会の忘年会に酒代の支出を行わなければいけないのか理解できない。

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公選法違反の疑い
 公職選挙法は、政治家が選挙区内で寄附を行うことを禁じており、市長交際費で酒を買ってばら撒く行為は同法違反にあたる可能性が高い。
 
 鹿児島県選挙管理委員会は、一般的な話と断りながら、市長交際費で買った酒を選挙区内で配ることは、政治家の選挙区内での寄附を禁じた公選法の規定に抵触する可能性があることを認めている。

 市長交際費を所管する薩摩川内市総務部の秘書室長に話を聞いたが、「公選法の規定は承知しており、市長名で酒を提供することはないはずだ。薩摩川内市として祝酒を出している」という。

 さらに「市のホームページ上で市長交際費の執行状況を公表しており、隠しているわけでもない」と胸を張る。

 しかし、酒をもらった側の市民が同市のホームページ上で市長交際費からの支出だったことを知れば、当然「祝酒」が市長からの贈り物と認識するわけで、市側の言い分は破たんすることになる。祝酒が市長交際費で購入されたことをホームページ上に掲載するということは、贈られた酒が市長からのものだと公言しているということ。もらった側は、岩切市長からの「寄付」と認識するだろう。

 同市の市長交際費に関しては、毎回10万円前後となる市政協力者への「中元」「歳暮」もあり、公費支出への感覚の鈍さが際立っている。

 首を傾げたくなる交際費支出には、次のようなものもあった。

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 薩摩川内市の市長交際費は、公費支出の正当性が厳しく問われる内容であることは間違いない。



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